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故郷は青き星
第四話
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力をつけた下級氏族達は子供達への教育に力を注ぎ始める。
 やがて教育を受けた子供達による世代がやってくると、生活に余裕があり教育を施された人間が、次に求めるのは自己の権利の確立、つまり民主主義の台頭に他ならなく、巻き起こる自由民権運動にフルント星における封建制度自体が揺らぎ始める。

 しかし、この封建領主と平民による階級闘争は、連盟の介入によって間もなく収束を向かえることとなる。
 既に連盟とっては優秀なフルント人パイロットの存在無しに第二渦状支腕(サジタリウス腕)防衛線が成立しないと分かっており、フルント星での血で血を洗う階級闘争による社会不安、そしてパイロット不足など悪夢以外何物でもなかった。
 事態解決のために連盟から派遣された調停官、グドゥルル・デンレスは、この任務に重要さに似合う優れた政治能力を有した人物であったため、連盟加盟国の中では珍しい──と言うよりも歴史資料の中に見出すしかない──封建社会という社会構造に苦しみつつも打開策を見出すことに成功する。
 下級氏族が豊かさと自由を求めているのに対して、上級士族達が求める根幹にあるのが名誉であることに気付くのが解決の1第一歩だった。

 フルント人の領主階級にとって何よりも名誉を得て、そして守ることが生きる目的であり、物理的豊かさは名誉に付随する余禄に過ぎなく、むしろ物理的豊かさに拘るのは恥という考えが根強く残っていた。
 また他星系への入植という連盟加盟の条件を満たしたとはいえ、未だに全フルント人による統一国家が存在しておらず各民族間の軋轢が大きい中、フルント星よりも遙かに進んだ文明を持つ連盟が新たなステータスであると考えられていたため、連盟および連盟軍にて彼等に高い地位を用意することは彼等の名誉欲を強く満たすことになった。

 一方、連盟軍内のおいてフルント人パイロットの集中運用を求める声が強かった。
 フルント人パイロットは初陣を迎えたばかりのルーキーでさえも連盟軍のエース級のパイロットを凌ぐ技量を持ち、他の連盟軍パイロットとチームを組ませても能力差が激しく戦力として計算するのが難しく、ハイコスト機とローコスト機を組み合わせて運用するHi Lo Mix運用のようなメリットはパイロットの場合は無かった。
 そのためフルント人のみで構成された部隊の創設が急務とされていたが、彼等は傭兵として個人契約で雇われ自由に各部隊を渡り歩くことを好んだ。
 平民階級とはいえ長く封建社会に馴染んだ彼等は、民族・氏族を単位とした集団の中に身を置き、仲間たちとそして集団を率いる長に従って行動する。
 ところが純血主義が強く残る彼等にとって、他の種族の者を長と認めて従うのは受け入れがたく、一つの部隊に所属し続けるのは避け一時だけの仮初の長に従う。それが彼等の妥協であり、それがフルント人パ
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