フェアリー・ダンス編
世界樹攻略編
天上へ至る道
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る。その間に私は回復魔法でリーファのHPを回復させる。
彼女は今、目の前の少年を想うあまり、周りが見えていないようだった。
悲痛な声でキリトを引き留めている。そして、その言葉は妙に響いた。
「あそこに行かないと、何も終わらないし、何も始まらないんだ、もう一度……」
「もう一度……アスナに」
私はふぅ、とため息をついた。『アスナ』という言葉を聞いた瞬間にリーファの表情が明らかに変わった。
酷い話だ。直葉は義兄である和人を好きになり、リーファはキリトを好きになった。
和人に失恋し、キリトに恋をしようとした。だが、それもかなわない……。
2人の短いやり取りの後、リーファはウインドウをを開くと、この世界を去っていった。
取り残されたキリトは困惑気味な目で問い掛けてくる。
「君は、知っていたのか?」
「はい」
「何で……教えてくれなかったんだ!!」
「聞かれませんでしたし、そもそもリーファのリアルをわざわざ教える必要もなかったので」
「…………くそっ!」
正論で返され、何も言えず、彼もまた現実に帰っていく。
やれやれと首を振り、その場に座り込んで空を見上げた。
後は彼ら次第だ。
もし仮に、自分が螢や蓮に恋をしたとして、彼らは何と言うだろうか。驚くか、笑って一蹴するか、はたまた受け入れてくれるのか……。
「……無いわね」
特に螢がなびくことは無いだろう、彼には一途に想い続けている人がいる。蓮は……よく分からない。
手に付けた数珠を眺めながらそんなことを考えた。
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時は少し進む、
その集団が進む先は人垣が割れていく。それは最後尾に控える巨大な竜のせいだけではない。
その集団を構成する10人の1人1人がただならぬ存在感を出しているからだ。
先頭を歩くのは腰に漆黒の刀を差し、背に巨大な太刀を背負った闇妖精だ。
――後に、アルヴヘイムのプレイヤー達はそのギルド名をを畏敬を持って呼ぶことになる。
――同時刻、アルン中央市街
辺りにいたプレイヤー達は興奮の色を隠さず、その集団に目を向ける。
シルフとケットシーの有名プレイヤー達や、ケットシーの竜騎士隊はドラゴン達までも揃って古代級武器に身を包み、先頭に立つ領主達の号令を待っている。
総勢68名。間違いなく、この世界における最強戦力だった。
領主達が顔を見合せ、戦士達に号令を送る。
ときの声をあげ、その大集団は世界樹に突撃していった。
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