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ソードアート・オンライン〜黒の剣士と紅き死神〜
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がず、独立していった年上の義兄達。

幼いころは彼らに手を引かれ、色々な所に行った。最も多い時期で10数人規模の大兄弟だった水城家も今ではたったの3人だ。

ことさらに、螢が家を出ていって沙良が中学に進学してからは自分は家でひたすら鍛練を重ねていただけだ。


(……それももう終わりだな)


螢が家に戻ってきて、自衛隊に正式入隊する沙良も、もう卒業する。非番の日は家に居るだろう。
また、あの日々のような暖かな時間が戻ってくるのを感じて蓮の心は弾んだ。





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Sideセラ



いきなり欲しいものと言われても思い付かなかったので、何の気なしに入ったVRゲーム専門店でALO内のアクセサリーを模した実寸大()()アクセサリーを購入した。

取り扱い説明書に付随していたシリアルコードを入力すると、ゲーム内で同じものが手に入るというので、やってみた。

チリーン、と宙が光り、ブレスレットが2つ出現する。アイテム名は《風の数珠》。素早さに少しのブーストが掛かるようだ。

1つだけ付けてもう1つをしまっているとき、リーファが現れた。


「リー……ファ?」


彼女は少し、悲しそうだった。


「どうしたの?」

「…………っ」


リーファ/直葉はちょっとやそっとのことで泣くような柔なメンタルの持ち主ではない。

だから、こっちに寄って、泣きついて来たのはびっくりした。


「……直葉」


彼女の本当の名前で呼び掛ける。何があったのかは分からない。しかし、それを聞くような真似はしなかった。話したかったら自分で話が出来る子だと知っていた。


「沙良……あのね。あたし、失恋しちゃった」

「………そう」


まず、誰かを好きだったことに驚いたが、まず真っ先に感じたのはレコン/長田慎一への同情だ。


「ごめんね。リアルのこと、ここに持ち込むのルール違反なのに……」

「別に、いいわよ。直葉もリーファも同じ人なんだから」


相手が誰なのかは分からない。だが、きっとその人も直葉のことが嫌いなわけではないだろう。他に、大切な人が居るのかもしれない。

しばらくセラの胸に顔を埋めていたリーファは勢いよく顔をあげると言った。


「よし。もう大丈夫!それにしてもキリト君遅………」


振り返った視線の先には目を泳がせている黒衣の少年と微妙に頬を赤くして口許を押さえている小妖精。


「や、やあ。2人とも。おはよう?」


アルヴヘイムの時間的には、おはようが適切だが、疑問形なのはやはり動揺があってのことか。


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