暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/stay night -the last fencer-
第二部
聖杯戦争、始動
幻想天舞(2) 〜交絶する光の涯て〜
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………!

「セイバー! 退け!!」

 オレの叫びに反応し、瞬時に身を引く。
 彼女が前にいてはオレの魔術が無効化される可能性がある。

 セイバーにもライダー同様、対魔力というスキルがあるからだ。

 それは剣の役割だけでなく、彼女が盾の役割を担っていたことを示していて。

「馬鹿な坊やね。前に出てきたらいい的になるだけよ?」

 微笑みながらキャスターが行ったのは、指先を振るだけの動作。
 ただそれだけで、キャスターがフェンサーの大魔術にも匹敵する爆炎を放つ。

 激突まで数秒。

 だがその数秒は、この宝剣の加護の前においては想定以上の猶予を生み出す────!

Blitz and Bloody Howling,(唸れ、奔れ) STORM BRINGER(狂嵐纏いし魔天の咆哮)!!!」

 キャスターの魔術が先に放たれたにも関わらず、ほぼ同時に衝突する二つの大魔術。
 燃え盛る爆炎と乱れ狂う暴嵐は一直線にぶつかり、廊下に存在する竜牙兵総てを消し炭に変えた。

「ッ!?」

 それだけではない。嘗めてかかっていたキャスターの魔術は威力に劣っていた。
 最大全霊を以て撃ち出したこちらの魔術が僅かに勝り、その雷の衝撃はキャスターにも届く。

 決定打にはならず、有効打かどうかも怪しい。
 けれどその隙は一瞬といえど、戦闘においては致命的なまでに遅れをとることになる。

 既に障害となるものは何もない。キャスターの人形も消し炭かガラクタ同然と化している。

 一呼吸の間に距離を詰め、セイバーがキャスターを両断する。
 多分本体ではなく分身か影だろうが、少なくともこれでキャスターが学園まで直接干渉する媒体はなくなった。

 セイバーに追従するままに横を走り抜ける。
 偶然居合わせたオレの助力はここまで、更に凛と士郎、セイバーの役目もここまでだ。

 後はオレがフェンサーの元へ戻り、ライダーを倒せばこの一件は全て片が付く。










 屋上までの道に残っていた竜牙兵も掃討し、扉を蹴り開けてフェンスまで走りよる。
 グラウンドには天馬が通り過ぎて削れた地面と、未だ命を繋いでいるフェンサーの姿。

 天馬は旋回途中。
 再び天上へと昇り、再び地上へと舞い降りる。

 ただフェンサーはもう限界で。
 次の天馬の突撃を回避できるかもわからないほどに消耗している。

「……………………」

 フェンサーが傷ついている。

 今にも儚く消えそうなほどに弱っている。

「っ…………」

 その事実が、現実が。

 どうしようもないほどに、オレの胸の中にある衝動を生み出していた。

「っ……ッ……──!!」

 未
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