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Fate/stay night -the last fencer-
第二部
聖杯戦争、始動
幻想天舞(2) 〜交絶する光の涯て〜
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動けず、共にいる凛も咄嗟に士郎まで守りきれるかどうかわからない。
それで士郎がどうしようもなく足を引っ張っているかといえばそうではなく、近づいてくる竜牙兵の攻撃から凛を守っているのは士郎だ。
──────完全な膠着状態。
これを破るには第三者の介入……つまりオレの行動が鍵になる。
「「黎慈ッ!?」」
「………………」
こちらに気づく二人に返す言葉はない。
一旦魔術を停止する。十秒足らずの休憩。
僅かに乱れていた呼吸を落ち着かせ、最低限の言葉だけを伝える。
「あまり話している時間はない……今から言うことをとにかく実行してくれ」
「何か策があるのね?」
「士郎はそのまま凛の護衛、凛は手前の敵を出来るだけ多く吹き飛ばせ」
「わかった」
「ちょうどいいわ。溜めてた甲斐があるってものよ」
俺が詠唱を中断しディレイしているのと同様、凛も魔術を溜めているようだ。
構築途中の魔術が内側で燻っている。
さっさと完了させて解放しないと、解除されるか回路ごと破裂しかねない。
「凛が魔術を撃った後、オレが特攻する。セイバーは先行してくれないか」
前方で防衛陣を張っているセイバーの頭が微かに頷いたように見えた。
士郎や凛が同意している以上異論もないのか、まず離れた位置で戦闘しながらも声が聞こえていることに驚いた。
停めていた術式を再開、頭の中で再詠唱しておく。
正式な手順で留めている以上再詠唱の必要はないが、魔術行使をスムーズに行うためでもある。
キャスターもオレたちが何かしら企てていることなどわかっているだろうに、微笑すら浮かべて余裕を見せている。
(いいぜ……その澄ましたツラをビビらせてやるよ)
手で合図すると同時、凛が攻性魔術を一斉解放する。
魔術行使で隙だらけになる瞬間を、士郎がキッチリと防衛する。
連続で撃ち出される魔術で手前の20体は粉々に砕け散った。
刹那、セイバーが突貫。
残る竜牙兵を斬り伏せながら、戦線を押し上げていく。
その背後に追従して走りながら、再詠唱をつなげていく。
「
Breaking blaze
(
炎鎖を越えろ
)
.
Become a Vanargandr to Ragnarok to thick
(
天地を疾駆する黄昏の牙となれ
)
」
次で最終詠唱。
これこそオレの魔術における奥義の一つ。
「
Roar that if the
(
さればその咆哮
)
,
Tell any one report of a dead
(
如何なる終焉を告げるものか
)
」
独自に作り上げた中でも最高峰の戦闘用雷尽魔術。
地に大穴を穿つことすら容易い、共振増幅を乗せた一撃を…
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