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Fate/stay night -the last fencer-
第二部
聖杯戦争、始動
幻想天舞(2) 〜交絶する光の涯て〜
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───────」

 聖遺物との同調を開始する。
 クラウ・ソナスが起動する。
 
 魔術刻印が呼応し魔力共鳴(ハウリング)を起こしつつ、聖遺物の情報を解析し始める。





 由来はダーナ神話に始まる、神雄王ヌアザの持つ四至宝が一。

 主に不敗を誓約せし聖光。神なる速さを以て敵手を撃滅する。

 その真価は自身に神速という結果をもたらす因果偽造でなく。

 あらゆる事象すらも断絶し、尽くを無に帰す因果切断である。





 オレが今手にしているこれは『真実を内包するレプリカ』という特異な宝具。
 神速を擬似実装する因果偽造までの能力はあるが、因果切断の概念までは顕現できるのか。

 といっても、そういった概念の再現までを行う必要はないだろう。

 これからの行動における重要事項は、真名開放を以て放つ一撃を繰り出すこと。

 それを空中を自在に飛翔する天馬に乗ったライダーに、間違いなく直撃させる。
 万が一にでも外せば次はない。というより今考えついている作戦では、当てた後のこともほぼ考慮していない。

 キャスターがいる以上念話盗聴も警戒し、その瞬間までフェンサーにも作戦は伝えない方針だ。

「……よし」

 呼吸は落ち着いた。身体機能も7割まで稼動できる。
 魔力の共振を開始する。全開の魔術回路が循環する魔力によってスパークする。

 緻密に計算を重ねた上で最低限の魔力を共振させているが、それでも過去最高値の増幅度だ。
 身体の負担、回路の損耗、増幅後の魔力量の折り合いを見て、共振回数は普段の5割増で8回前後。
 体内の血液が徐々に加熱していくかのような熱さと、これ以上は命に関わるという警鐘か頭痛が襲ってきている。

 本当に限界だ。この最後に全霊を賭けるしかない。

 白銀の宝剣を携える。
 刻印に魔術を蓄える。

 共振、増幅、宝具への魔力供給の流れを自動化し、それとは別にまた魔術発動のための魔力を用意する。
 グラウンドで戦闘していたライダーを援護するために、校舎一階に居た竜牙兵はほぼ全て外に出ていたようだ。

 作戦第一段階はまず屋上へ向かう事。
 そこへ辿り着くには校舎内の竜牙兵を掃討しつつ、もしもの場合は凛や士郎たちが交戦中のキャスターをも突破しなければならない。

 問題は2階〜4階へと続く道、屋上までの経路にどれだけの障害があるか。
 竜牙兵は俺とフェンサーがかなりの数を片付けたし、校舎内でキャスターと交戦している凛と士郎もいくらかは殲滅しているはずだ。

 実際に幾つかの残骸が転がっている。これは彼らが撃破した竜牙兵だろう。
 凛の魔力を上階から感じる…………やたら強力な反応はセイバーのものか。
 様々な魔力波長
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