暁 〜小説投稿サイト〜
インフィニット・ストラトス〜黒き守護者〜
維持でも話す気はない
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「いや、お前じゃなくてお前の姉。意図を教える気はないけどな。とにかくお前は少しはその性格を砕いてみればどうだ? そして純粋にあの馬鹿を思えばいい。そうすれば発動するかもな」

 そう言って俺はその場を離れる。

(何を考えているか知らないが、ふざけすぎているだろ)
『確かにね、渡すならもっとマシな物を渡せば良かったのに』

 と、シヴァと言い合いをしていた。





 ■■■





―――虚side

 最近、お嬢様の様子がおかしい。
 断片的に話を聞いただけだが、どうやら祐人の秘密を探ろうとして深追いしすぎたらしく、簪様と本音を人質にされたらしい。
 それを私と本音に話してくれたが―――どうやらそれだけではなさそうだ。

「………バカ祐人。少しは私にも話してくれてもいいのに………」

 滅多に呟かないお嬢様にしては、珍しいと思った瞬間だった。
 簪様がお嬢様のステータスを疎ましく思ったりするように、お嬢様もまた、簪様を羨ましく見ていた。原因は祐人だ。
 頭いい祐人は持ち前の頭脳を駆使して簪様と本音に勉強を教えていた。そしてそれを疎ましく思っていた女子児童をいなくするために簪様がお休みになられたときにわざと教室にある自分の椅子を使って窓ガラスを割るという奇行をして怯えさせるだけじゃなく、「簪ちゃんがいないと授業がつまらなくなって窓ガラスという割りやすい物を割りたくなるんです」と堂々と言った。さらに簪様が男子児童に人質に取られるが―――遠慮なく蹴って脅して見下すという謎の行為を行ったりという非行行為を繰り返したおかげでその学校は必ず簪様と本音、そして祐人を同じクラスに置いた。
 だけどある日、何故か当時小学生のお嬢様を引っ張って帰ってきた祐人を見て全員が驚いたが、何より普段泣かないお嬢様が珍しく泣いていることに異変を感じて説教されている間、お嬢様はとんでもないことを言い放った。

「ねぇ、うつほちゃん」
「なんですか?」
「ゆうとくんって、うつほちゃんのおとうとよね?」
「そうですが?」
「じゃあ、ゆうとくんをちょうだい」

 この後、泣きながら戻ってきた祐人がお嬢様を売って逃れたことに怒ろうとしたが、父に止められて止めた。何故なら―――父の手首には祐人の歯型が残っていたこともあったが、

「……血、まずい……」

 そう言いながら口をゆすいでいた祐人を見て少しばかり怖くなったからだ。
 今、『風宮祐人』という名前で通っているのが私たちが知る『布仏祐人』だというのが今の世代の更識家と布仏家での推測だが、この予想が当たって欲しいというのが私の本音だった。そうじゃないと、簪様は自分のせいで『布仏祐人』を消したと思っているだろうし、本音は久々に会う兄だし、それにお嬢様にとっ
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