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故郷は青き星
第三話
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高いパイロット適正を持ち、男女を問わず成人フルント人の多くが軍人として戦争に参加していると言う事実だった
 しかし、母に連れられて外出する機会などに眺める街の様子は、とても長い戦争が続いて居るようには見えず平和で豊かだった。何よりも子供の数が多く、公園などで多くの子供達が遊ぶ姿は、少子化が進んでいた日本では余り見ることの出来ない様子だった。

「ママ。僕達の星って戦争してるんだよね?」
 エルシャンはたゆまぬ努力によって同じ年頃の子供達よりもかなり早く明瞭な発声能力を手に入れて、良く喋る子供になった。
 また喋る際には、赤ちゃんプレイを既に優秀な成績で卒業し幼児プレイの達人への道を歩み始めていたので、ママだの僕だのという言葉を可愛らしく口にする事に抵抗を覚えるような感情は微塵も残っていなかった。
「そうよ。エルシャンは本当に物知りね」
 そう言って、母ユーシンはエルシャンを、笑顔で抱き上げて頬擦りをする。
 出産直後の呼吸困難から意識不明が一週間も続いた一件は、彼女を息子を溺愛する親馬鹿への道を歩かせていた。割れ鍋に綴じ蓋。そんな言葉が似合う親子であった。
「でも街は平和だよ」
「そうね〜この星は平和よ。ママが生まれた時からずっとね」
 エルシャンには母が何を言ってるのか理解できなかった。テレビニュースから得た情報を彼なりに統合した知識では、戦争は500年前から続いていて。イルヌ星系政府が連盟に加盟し戦争に参戦してからでも既に300年以上が経過している。
 戦況は連盟にとって有利ではなく、常に防衛線を後退させられ続けている状況のはずだった。
「元々この星は、今のように豊かでも無ければ平和な社会……場所でもなかったの。たった一つしかないこの星の中でも異なる種族同士でいがみ合い、時には戦争でお互いに血を流していたのよ」
 ニュースで聞いた事の無い。連盟加盟以前のこの星の歴史にエルシャンは驚く。
「びっくりした? でも本当のことなの。連盟の調停を受けて私達ははじめてシルバ族とかアルキタ族とかエルゾ族とかの種族を乗り越えてフルント人になれたの……えっとやっぱり難しいかな?」
「大丈夫だよママ。僕、ちゃんと分かるよ」
 エルシャンにはむしろ、そのような気遣いや時折、子供向けな言葉を選ぶ母がもどかしかったが、そんな彼の可愛らしい言葉と仕草に何かスイッチの入ってしまった母によって話は大きく脱線するのであった。
「もう駄目。エルシャン可愛い! エルシャン天才! エルシャン最高!!」
 彼の両脇から腕を差し入れて背中に回し、一気に抱き上げぎゅっと強く抱きしめながら激しく頬ずりし続ける。エルシャンが開放されるまでには暫く掛かることになった。

「うう、ベタベタする」
 ハグから更に感極まった母に顔中ペロペロの嘗め回されてしまい、顔を覆
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