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故郷は青き星
第二話
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0分間以上もプレイヤーを説教するのは止め貰いたいとか、ひとしきり愚痴をこぼした後でベッドを降りる。
 擬体ではないゲーム内の自分の肉体で立つ。身長175cmと中肉中背──2030年には成人日本人の平均身長は174cmに伸びている──顔つきも平凡でこれといった特徴は無い。実際の自分の身体とほぼ変わらない姿だった。勿論、ゲーム内で現実の自分を特定されるのが嫌なので、顔は自分の顔をベースに多少変えてある。その事が一層彼の顔から特徴を奪っていた。
 ゲーム内では容姿年齢性別を自由に設定する事が出来るので、多くのプレイヤーが美男美女だったり美少年美少女だったり性別を変えたりと好き放題だが、彼はそのような風潮に嫌悪感を抱いているわけでもなんでもなく、美しい男女ばかりの世界は気持ち悪いなとへそ曲がりの虫がさわいだだけだった。

「飯でも食ってみるか」
 ドアを開けて個室から外に出る。同じようなドアが3mほどの間隔で左右の壁に並ぶ長い廊下を、食堂のある右側に向かって歩き始める。
 ゲーム中で食事をするという経験は、従来のVR機器を用いたゲーム中で無くもないのだが味覚や満腹感などというものは伴わず、口元に運ぶという手間以外は、単にアイテムを消費するのとなんら替わらず、味覚や満腹感などを与えることの出来ると言う『ダイブギア』の実力拝見と、柴田は密かに期待していた。
 更には遙かに進んだ文明と言う設定における、SF飯ってどんなのだろうという好奇心もあった。
 廊下をすれ違う人々の多くは、予想通りの美男美女、美少年美少女、ついでに美幼女までと美のオンパレードだったが、どれも同じとは言わないが幾つかのバリエーションがあるだけで、見たことのあるような別人が溢れていたが、中には凄いデブやブサイクなど明らかに醜いアバターを使っているプレイヤーが少なからず居たが、そんなプレイヤーに対しては「あいつらはリア充だ。現実での容姿に自信があるからゲーム中で醜い容姿の自分を楽しめるんだ。もげて爆発しろ」と完全な言いがかり的な怒りの言葉を呟きながら廊下を進んでいく。
 そんな彼に周囲の目が冷たいが本人は気付いていない。

「ん……あれ?」
 食堂の入り口から中を一目見渡した柴田は首を傾げる。
 もっと未来的だったり、地球とはかけ離れた異文化的の香りを期待していたのだが、実際は学食か社員食堂のような空間が広がっていた。
 裏切られたと柴田は感じた。もし彼がDSWOの運営会社の立場に立ったら「異星人の気遣いだろ。遠く離れた異郷で地球人たちがホームシックに罹らないように気を使って地球。しかも日本風にしてるんだよ」と平気で言い放つ癖に……

「カレーまであるのか」
 メニューも完全に日本仕様で、他には蕎麦・うどん・ラーメン・定食メニューなど普通に豊富で、柴田が自分の通う大学の学
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