第二話
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556.8となり端数切捨て──表示で端数が無いだけで内部的には端数もカウント──で556ポイントだったが、SF/A-104より一つ新型の機体を購入するには、戦果ポイント3000が必要だという事までは分かっているのだが、現在の所持ポイントで何をすれば良いか彼には判断が付かなかった。
『柴田浩二義勇宙士。今回の任務のブリーフィングを行ってもよろしいでしょうか?』
任務中のシステムアナウンスとは別の声が語りかけてくる。こちらの方は優しげでほっとする声だった。
DSWOでは任務後にはブリーフィングが行われ、自らの戦闘中の行動を第三者視点を交えて解説し、問題点を洗い出し今後の任務に役立てる事が出来る。
勿論ゲームなので受けないと言う選択もあるし、時間的に後回しにすることも出来るが、任務の直後に受けることが推奨されている。
プレイヤーからは随分と親切で鬱陶しいシステムだと評判であった。
「ああ、時間があるから今すぐ受けるよ」
『了解です。ではベッドに横たわり同調を開始してください』
柴田は指示に従いベッドに仰向けに寝転がるとシステムメニューから同調を開始した。
「やあ、柴田浩二義勇宙士」
ゲーム内の擬体へではなくゲーム内の電脳空間の自分への同調というややこしい状況。
見覚えのある部屋。チュートリアルの始まりと同じ壁や天井が柔らかいクリームホワイトの部屋に柴田は居た。椅子に腰をかけている自分に気付くと同時に、机を挟んだ反対側から親しげに声を掛けてきたの異星人にも見覚えがあった。
体型や体長などは地球人類とほぼ同じだが、首から上が人類には無い特徴があり鼻は鼻頭が黒く小さく、その中心を挟んだ左右には縦長な鼻孔が開いていて、鼻の下の上唇が中央で左右二つに分かれている。
更に金髪に見えなくも無い薄みががかった茶色い頭髪に包まれた頭頂の左右両側から三角の耳が生えていて、耳朶には短い毛がびっちり生えている。全体的に犬っぽいというか漫画に出てくる獣人としか見えない。とはいえ地球人類の、少なくとも柴田の美醜の判断基準では醜いどころか、独特の美しさを感じざるを得ない。
「よろしくお願いします。エルシャン教官。いえ艦隊司令閣下」
男性のはずだが和犬のような潤んだ愛嬌のある目でじっと見つめられると、犬好きの柴田としては彼を抱きしめて「よ〜しよ〜〜し、可愛いぞお前」と、右手で頭から背中を、左手で首の下から腹を撫で回したくなる衝動を覚える。
だが、そんな内心をおくびにも出さず、柴田は椅子から立ち上がってエルシャンに敬礼する。
「座ってください。私は艦隊司令のエルシャンの人格をシルバ6のマザーブレインが再現したAIなので艦隊司令ではありません。ただのエルシャン。または教官と呼んで下さい」
エルシャン・トリマ。サジタリウス腕防衛軍の第
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