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故郷は青き星
第一話
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に参加していた。

『今回の任務の目的は、クワントロー星系第2惑星への【敵性体】降下阻止です』
 女性の綺麗な声であるが、硬質な感じのするシステムアナウンス──この編隊の母艦(無人艦)である艦隊旗艦に搭載された高度AIのアナウンスと言う設定──に柴田は2本の操縦桿を握る手にぎゅっと力を込める。
 慣れたなら操縦桿やフットペダルなどの物理的入力を使わない思考操縦という選択もあっても良さそうなもので、実際『ダイブギア』は同様に物理的入力ではなく思考によってゲーム内の操作を行っているわけだが、ゲーム中ではそれが実装されていない。
 地球の技術で作れる『ダイブマギア』に出来る事が、地球より遙かに進んだ科学を持つはずの異星人の兵器に搭載されていないのは設定ミスだろうと思わないでもなかった。
 この件に関してはプレイヤー達の意見も割れている。柴田と同様にあからさまな設定上のミスだと言う意見もあれば、このゲームは擬体で戦闘機を操縦して戦うと言うのが演出上の肝なんだから、思考入力で操縦できるならそもそも擬体の存在が不要になってしまうので設定としては苦しいかもしれないが、これは英断だと主張する意見があり、後者の意見が大多数を占めていた。

 現在の柴田には、そんな事はどうでも良かった。初めての実戦に緊張して、そんな余裕は無かった。
 本当にゲームとは思えない臨場感のおかげで本当の戦争に参加するかのように感じられ、その空気に怖気づくような感情すら覚えていた。
 擬体でなければ体中に嫌な汗が浮かんで操縦桿を滑らしかねないだろう。
「ゲームだ。これはゲームだ……だから楽しもう」
 彼は自らの恐れを振り払うように、自分にそう言い聞かせる。
 これと同様のことが各機のコックピットの中でも見られた。一部のβテスト参加者を除けば柴田はプレイヤーとして第一陣に属しており、全世界でこの作戦に参加している他のプレイヤー達の精神状態もそう変わったものではなかった。
『広域レーダーレンジに【敵性体】入ります。母艦種6。小型種多数』
 母艦種とは、イカの胴体部分に似たシルエットを持つ全長5kmに達する巨体に5000体以上の小型種を搭載する航宙母艦と呼ぶべき存在で、確認されている【敵性体】の中では2番目に大きな個体である。
 小型種は、全長30m程度で、柴田の乗る連盟軍の戦闘機と同等のサイズであった。もっとも現在の連盟軍の兵器ドクトリンは対【敵性体】として構築されているので対小型種として戦闘機が存在するので当然とも言えた。母艦種内部で生産され、母艦種の護衛と惑星への降下・制圧を目的とした個体。
 そして、この小型種こそが【敵性体】の主力であり、他の【敵性体】は全て小型種の活動を支えるサポートにしか過ぎない。
 また母艦種と小型種の間には大型種と呼ばれる個体が存在し、大
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