第77話 新たな家族の為に
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(その状態で宵の書を破壊したんだよな………)
最悪な結果を思い浮かべる。
だけど、ユーリは普通に元気だった。
ついさっきまでみんなに囲まれ美味しそうに料理を食べていた。
(なのに何故こんなに引っかかるんだ………?)
同じ様な事が確かどこかで………
「そうだ!!リインフォース!!」
「えっ!?」
「何だ!?」
いきなり出した大声で桐谷と加奈が驚いて声を上げた。
「くそっ!?スカさんは何故何も言わなかったんだ!!」
「おい、零治!」
桐谷に声をかけられたが、俺は無視して、さっき出ていったユーリを追いかけに行った。
「くそっ、どこに行ったんだ!?」
『マスター、どうしたんですか?』
「ユーリのやろう、一人で静かに消える気だ!!」
『えっ!?作戦は成功したじゃないですか!』
「確かに成功した。だけど、ユーリの核のエグザミアは宵の書に吸収されていた。まだ完全に吸収される前に助け出したが、それでも限界に近いくらいダメージを負っていたんだ!!」
俺はがむしゃらに走り回る。
「くそ、早く行かないと………俺なら助けられるんだ、消える前に会わないと………」
『………それは本当?』
いきなり目の前にディスプレイが展開された。
画面にはクアットロが映し出されている。
「お前………知ってたな?」
『ユーリちゃんに言うなって言われたのよ。他にもドクターともう一人のユーリちゃんが知ってるわ』
スカさん、しかもユーリもか………
『彼女は自分の体の事を分かっていたみたいよ。そしてその運命も受け入れる覚悟も出来ている。ドクターももっと時間があれば助けられたかもしれないって謝ってたわ。ドクターも悔しいのよ。だからそんな顔しないで………』
「………悪い」
そうだよな、スカさんやクアットロだって悔しい筈だ。
『それより、さっき言ってたけど本当に助けられるの?』
「………ああ、俺にはその手段がある」
『どうやるつもりよ?』
「簡単さ、奇跡を起こすのさ」
『奇跡………?』
「ああ」
俺の答えを聞くと、クアットロは心底ガッカリした様に肩をガックリ落とした。
『何よそんな非科学的な事を………無理よ、奇跡なんて絶対に起こりっこない………』
「いや、起きるさ。いや、俺が起こしてみせる。だからユーリの居場所を教えてくれ」
『………駄目よ。教えたら彼女の覚悟を曲げてしまう。きっと後悔しながら消えていってしまう………そんな思いはさせたくない………』
「なあクアットロ、俺を信じてくれないか?」
俺はクアットロの目を見て話す。
『そんな顔しても駄目よ。
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