無印編
第十一話 後
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所変わって、場所は高町家のリビング。そこは、家族の憩いの場であるにも関わらず、奇妙な空気が渦巻いていた。
僕の正面には、高町さんのお父さんとお母さん、お兄さん、お姉さんが神妙な顔をして座っている。対して、僕の隣にはなのはちゃんとユーノくん。もっとも、ユーノくんはフェレットなので人数には数えられない。
傍から見れば、子供に説教する家族のようにも見えないこともない。そのぐらい、なぜかぴりぴりした空気だ。
なぜ、こんなことに? と思う。
最初は、翠屋へ向かって、なのはちゃんのお母さんに接触を持った。なのはちゃんについて大事な話があります、と切り出して。そうしたら、奥からなのはちゃんのお父さんが出てきて、彼女の家に向かうことになった。さらに、なのはちゃんの家には彼女のお兄さんとお姉さんがいて、これで見事、高町家が全員集合したことになるのだ。
さて、しかしながら、こうしていつまでも睨めっこしている場合ではない。誰かが切り出さなければ、話が進まない。だから、僕は全員に注目が集まる中、最初の一言を切り出した。
「まずは、お忙しい中、お時間を取っていただきありがとうございました。これから話すことは、きっと信じられないことかもしれません。驚くこともあるかもしれません。それでも、事実なんです」
そこでいったん区切り、僕は彼らの反応を見た。驚くことに誰一人揺らいでいなかった。普通の家族なら、子供が何を言っているんだ、と胡散臭いと疑うような視線を向けられてもおかしくないのに、彼らは揺らぐことなく僕に続きを促していた。
そういうことなら、と僕は安心して昨夜からの流れを余すところなく話した。
ユーノくんのこと。ジュエルシードのこと。ジュエルシードの暴走体のこと。それらに対抗する手段として魔法があること。現段階で、この近くに魔法を使うためのエネルギー源である魔力を持つ人間は、僕となのはちゃんしかいないこと。しかし、僕は魔法を使うためのデバイスであるレイジングハートを使えず、なのはちゃんしか使えないこと。先ほど、話し合い、僕たちは、ジュエルシードを積極的に集める方針を採ったこと。
本当はこれらを話すと言った際にユーノくんと一悶着あった。しかし、この世界では、僕たちの年齢は子供であり、保護者の親の許可を貰う必要があるとなんとか説き伏せ、了解を貰ったのだ。いくらなんでも僕たちの年齢では、当事者だけでは決められないだろう。
僕は、それらを一つ一つを丁寧に話していった。彼らは話の間に口を挟まなかったけど、何かを言いたそうにしていた。
いや、分かる。僕だって、もしも娘と同い年の男の子から魔法だのなんだの告げられれば、それは妄想に近い類にしか思わないだろう。だからこそ、口を挟まずに聞いてくれた彼らには感謝するしかな
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