無印編
第九話 裏 (高町家、なのは)
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全部なにもかも不可能だったなのはに向かって。
なのはは、自分がにぃと笑っているのを自覚しながら、パジャマから私服に着替える。
あの、あの蔵元翔太ができなかったことなのだ。もし、もしも、自分がそれをなしえたなら―――
一年前に諦めた希望が少しだけ首をもたげた。同時に興味がわいた。
あの蔵元翔太が無理だというものがどういうものか。それを見てみるのも一興だと思った。
むろん、あの蔵元翔太が不可能だったことなのだ。もしかしたら、とても危険なことなのかもしれない。それを理解してなお、なのはは行くことを決めた。
一年前、すべてを諦め、闇の中を彷徨い、どこをどう歩いていいのか分からないなのはにとって一筋の光になるかもしれないと、そう思えたから。
◇ ◇ ◇
なのはは夜の道を走っていた。蔵元翔太に会うために。
なんとなく場所は分かる。なぜ? と聞かれても分からない。なんとなくの方角が分かるのだから仕方ない。
それは理解ではなく感覚。彼女は今、魔法というものを考えるのではなく感じていた。
そして、その感覚が間違っていなければ、彼らはこの角を曲がった先にいるはずだ。
その予想は当たり、角を曲がるとそこにいたのは一人の男の子、蔵元翔太と彼の肩に乗る見たことがない動物、そして―――
――――GYAAAAAAAAAAAAAAN
真っ黒い見たこともないようなバケモノだった。
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