幼年期編
第4章
学園都市の日常
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さっさと済ませちゃいましょうか」
「りょーかいです。みことセンセー」
「だからそれはやめなさいって」
美琴は当麻の自分への呼称に苦笑しながらそう返した。
当麻は美琴のことをたまにみことセンセーと呼ぶ。
これは当麻に勉強を教えるときの美琴があまりにもらしかったので当麻が茶化して呼び出したのだ。もっとも美琴に効果はなかったが。
だが何故かそれ以降この呼び方が定着してたまに当麻の口から出るのだ。
(ま、わたしとしては普通に『美琴』って呼んでくれると嬉しんだけど)
美琴にとって当麻に…世界で一番大切な人に呼ばれる名前は特別だ。どうせならいつでも呼んでほしいと思っている。
(そりゃ、何もないのに名前を呼び合ってたら違和感バリバリだろうけど…。
美琴センセーって呼んでくれるのもアイツなりなにわたしを信頼してくれてるってのもわかるけどさ…。
それでも普通に名前を呼んでほしいって思うんだからわがままよね、わたしも)
「だって、みことの説明はさ、学校の先生のなんかよりよっぽどわかりやすいんだぜ?」
「そりゃね、当麻のだけのための特別授業だもん。学校の先生がするみんなに教えるための授業とは違うわよ」
「いやそれを差し引いても分かりやすいって、いつもありがとな、みこと」
「ど、どういたしまして」
当麻の素直な礼に美琴の頬に朱がさす。
やっぱり当麻の素直な言葉にはいつまで経っても慣れない、そう思う美琴だった。
…もっとも目の前でニヤニヤしている当麻は少しムカつくが。
「と、とにかく買い物よ!行くわよ当麻!!」
「はいはい、お姫様」
そんなやり取りを時ながら二人は買い物を続けるのであった。
買い物から帰ってくると、美琴の部屋の冷蔵庫に食材を入れ、当麻と美琴はお互いに今日あったことを報告しあう。
そして1時間ほど勉強し、美琴は夕食の準備、最近は当麻も料理を手伝うようになった(夕食時のみだが)。
夕食後は他愛もない話をし、お風呂に入り、10時頃に就寝(当麻は部屋に帰る)。
たまに(あっても月に2回とかのレベルである)友達と遊んだりもするので毎日ではないがこれが二人の日常である。
これに変化が訪れるのは次の年の春の話となるのだが二人はそんなこと知る由もないのだった。
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