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リリカルってなんですか?
本編前
第八話
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訂正され、それを答えとして改めて答えた。

『はい、正解。そろそろ、休憩にしましょう。ずっと話していたから喉が渇いたわ』

『そうだね』

 ちょっと待ってなさいよ、と言い残してアリサちゃんが部屋から抜け出した。

「やっぱり単語をもう少し覚えないと話にならないな」

 アリサちゃんが出て行ったのを見送って僕ははぁ、と大きく息を吐いて思わず独り言を日本語でつぶやいてしまう。

 今、僕はアリサちゃんの部屋で英語を教えてもらっている。正確に言うと英語というよりも英会話だろうが。

 始まりは、僕が塾通いを始めたあたりだろうか。僕たちが通っている塾は進学塾であり、学校では余裕で満点の取れるアリサちゃんでも、さすがに分からない問題がある。しかしながら、僕にとっては簡単に解ける問題なので、いつも教えていたら、そのうち、いつも教えてもらってばかりで悪いので何かないか、と聞かれてしまった。

 そこで、アリサちゃんは英語も日本語も出来るバイリンガルというので、英語を教えてもらうことにしたのだ。

 さすがに僕も大学に行って、しかも工学系なので読むほうは大丈夫なのだが、英会話のほうはさっぱりだ。TOEICもライティングはともかくリスニングがひどかった記憶がある。
 よって、こうして週一か二の割合で英会話を教えてもらっている。

 今日はゴールデンウィークでお休みかと思っていたのだが、一応、昨日確認のためにメールしてみたら、どうやら今日も構わないというので、お邪魔しているわけだ。

 そして、先の呟きに繋がる。文法はともかく単語の量が圧倒的に足りない。工学科の最先端の技術は殆ど英語で書かれているため、よく英語の洋書を読んでいたので、それなりに自信はあったのだが、その自信は最初の一回目で崩れ去った。どうやら技術書に書かれている単語はかなり偏っているようである。

『はい、お茶、持ってきたわよ』

 おっと、アリサちゃんも帰って来た様だ。
 最近気づいたのだが、アリサちゃんはこの時間、実に活き活きしている。最初はその理由が分からなかったのだが、最近になってようやく分かってきた。要するに、僕が徹底的にやり込められているのが楽しいのだ。まあ、塾じゃ立場がいつも逆だから分からなくもないんだけど。

 結局、その日のアリサちゃんによる英会話教室は午後から日が暮れるまで続けられたのだった。



  ◇  ◇  ◇



 ゴールデンウィークも終盤になった今日、我が家にすずかちゃんとアリサちゃんが遊びに来た。目的は秋人だ。
 生まれたばかりの頃、秋人を見に来たがっていたのだが、来た以上、抱いたりもしてみたいだろう。最初は見るだけといっても、絶対そうなることが目に見えていた。だから、せめて首が据わってから、と思っ
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