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『もしも門が1941年の大日本帝国に開いたら……』
第七話
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「……杞憂だといいけどな」

 樹はそう呟く。だが樹自身は何か嫌な予感がしていたのだ。

 そしてそれは直ぐに起こった。

「ちゅ、中尉ッ!!」

「どうした?」

 樹が振り返ると水野は顔を青ざめていた。最初は不審に思った樹だったが、今さっき話していた事を思い出した。

「出たのかッ!?」

「は、はいッ!! 後方から龍が接近中ですッ!!」

 樹が後ろを振り返る。後方の空から大きな物体があった。

「伊丹大尉ッ!! 後方から龍が接近してきますッ!! 合戦準備願いますッ!!」

 樹は無線で伊丹に叫ぶ。

『分かったッ!! 全員戦闘用意ッ!!』

 伊丹少佐の言葉に第三偵察隊員達は戦闘準備をする。樹もMP28短機関銃(ベ式機関短銃)

『攻撃開始ッ!!』

 九四式六輪自動貨車は一斉に方向を変えて龍――炎龍の元へと向かう。

 コダ村の避難民が炎龍から逃げていく。しかし炎龍が降り立った場所にいたコダ村の避難民は炎龍に捕まり、捕食されていく。

「急げ急げェッ!!」

「分かってますよッ!!」

 樹の叫びに片瀬は叫びながらアクセルを踏む。

「射撃開始ッ!!」

 隣の自動貨車に乗る伊丹大尉の叫びと共に樹はMP28短機関銃の引き金を引く。

 MP28短機関銃の9mmパラベラム弾が大量に発射されて炎龍の身体に当たるが厚い鱗に阻まれて貫く事が出来ない。

「二十ミリで牽制しろッ!! 四一式は準備て奴に砲弾を叩き込めッ!!」

『了解ッ!!』

 伊丹の命令に他の九四式六輪自動貨車の荷台に乗る九八式二十ミリ高射機関砲が発射される。その間に四一式山砲の砲兵分隊が急ぎ九五式破甲榴弾の準備をする。

 しかしこの九八式二十ミリ高射機関砲であっても炎龍の厚い鱗を貫く事はなかった。

「全く効いてないな……」

「ヤバいですね〜」

 樹の呟きに運転している片瀬はそう言った。

「伊丹大尉ッ!! 目を狙って下さいッ!! どんな強敵でも目は弱いはずですッ!!」

 樹はただ当てるだけじゃない事を言う。

「分かったッ!! 目を狙えッ!!」

 伊丹の叫びに九九式短小銃、九九式軽機関銃、九八式二十ミリ高射機関砲が命令を実行する。

 弾丸が目の付近に命中している炎龍は流石に動きを止めた。

「山砲発射用意ッ!! ロゥリィさん、貴女の武器でドラゴンを足止めしてくれませんか?」

「了解ッ!!」

「いいよぉ」

 ロゥリィが助手席から軽快な動きをして荷台に向かい置いていたハルバートを持つ。そしてを山砲隊は炎龍に照準をする。

「片瀬止めろッ!! ロゥリィさん、頼む。山砲隊撃ェッ!!」

「了解ッ!!」

 山砲隊の砲
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