GGO編
百三話 誘いの乱入者
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にんまりと笑う。
次の瞬間には攻撃が来る……!
「逝っちゃええェェッ!!」
『怖っ!?』
銀髪の奥の紅い瞳がギラリと輝き、光剣による斬撃が飛んでくる。迫力が尋常ではない。
しかし、襲い来る蒼色の斬撃を前にして、リョウはこの上無く冷静な頭が働くのを感じていた。斬撃は、先程ほどではないにせよ確かに速い。だが……
「アスナより……遅せぇなっ!!」
「っ!?」
胸のあたりをバッサリと行きそうな勢いで振り切られた斬撃に対し、リョウは足から力を一気に抜く。
ガクンっ!と目線が一気に下がり、アイリの斬撃が頭の上を通過する。と同時に、足が曲がったことで上半身が自然と前に出る。先程狂わされた目算分は、これで埋まった。左腕は振り切った状態のまま、左手はリョウ自身の右側に有る。逆手に持っていたナイフをクルリと一回転させて順手に持ち帰ると、そのまま一気に……
「疾ィッ!!」
「うぁっ!?」
突き出す!アイリの腹にナイフの刃が深々と食い込み、凄まじい勢いによって押された事で、そのままアイリの体が後ろに吹っ飛ぶ。
そのままリョウは踏み込んだままの左足に力を込め立ちあがりつつ右足から踏み出し……
「おっ!」
右のナイフを腰だめに構えたままアイリに突っ込む。対し、アイリは中途半端に吹き飛ばされた事でたたらを踏むように数歩下がると、リョウが突っ込んでくる事に気づき、慌てたように剣を構える。今度は先程のようなミスを犯すつもりはない。二本ある優位性を生かして……
『体術とナイフのラッシュ……!』
そのまま一気にアイリの間合いにふみこもうとした……その時だった。
──ゾッ!──
『!?』
突然、首筋に悪寒が走る。先程の比では無い。ここ最近、全く感じていなかった圧倒的な……体を一瞬で普段とは全く違う戦闘モードに持っていくこれは……!!
「っ、伏せろっ!!」
「え?きゃあっ!?」
それが自分の狙っていたのか、あるいはアイリを狙ったものか咄嗟に分からず、リョウは反射的に目的を変更した。ナイフを棄ててアイリの体に飛び付き、訳も分からず悲鳴を上げる彼女を強制的に伏せさせる。
勢いに押され、アイリの光剣が地面に転がった。直後……
バギャァッ!!
と、壁が砕け散る音が響き、アイリが先程まで居た場所を、リョウの背中僅か数センチの位置を、巨大な弾丸が通過した。
「!?」
「やろっ!」
右側の壁から飛んできた弾丸に対し、リョウはアイリの体を即座に離すとごろごろと数度転がり壁際に付く。一応DEを抜くが……
『予測線無かった……っつーことはスナイパーか!』
「アイリっ!窓から見える位置に出るな!」
「え、え!?」
「早くしろっ!」
「っ……」
リョウの意味不明な発言に一瞬戸惑う表情を見せるアイリだった
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