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蒼き夢の果てに
第1章 やって来ました剣と魔法の世界
第11話 男女七歳にして
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源は、わめきたてる者。酔っぱらって大騒ぎする様を表現している名前ですから、彼女の酒癖の悪さが判ろうと言うものですよ。

「ハルファス。お茶も用意して欲しい。それと、タバサ。泉の乙女には酒精(アルコール)を取らないように頼んで貰えないか。
 彼女は、少々、酒癖が悪くて、一晩中、大騒ぎを続ける可能性が有るから」  

 タバサが首肯いてニンフに話し掛けている。まぁ、これで一晩中、踊り明かすような事はないと思います。
 まして、ニンフの酒癖が悪いとして、それに絡まれる可能性が一番高いのは、どう考えたって俺じゃないですか。それで無くても今日は霊力の消耗が激しいのですから、出来る事なら、休息を取る事によって、霊力の回復を図りたいのですよ、俺としては。

 酒精(アルコール)に弱い連中用にお茶も用意して貰ったな。これで、式神達の宴会に対する準備に関しては充分でしょう。
 ……って言うか、宴会を始める事については、もうスルーします。あまりしつこく言うと、俺まで、その宴会騒ぎに巻き込まれる事と成りますから。

 そうしたら、後は……。

「シルフ」

 ついに本日六体目の式神、風の精霊シルフの召喚を行う俺。そして、更に続けて、

「ハゲンチ」

 続いて、七体目の式神。ソロモン七十二の魔将第二十四席ハゲンチの召喚を行う。

 ド派手な演出と共に登場する。二柱の式神達。
 片や、芸術家を魅了して止まない、背に昆虫類の羽を持つ透明感のある美少女姿の風の妖精シルフ。
 そして、片や弓矢を持つ壮年の男性姿で現れた魔将ハゲンチ。

「シルフ。この部屋に音声結界を頼む。それが終わったら、宴会の方に参加してタバサの式神達との顔つなぎをして貰えるか」

 そう依頼を行う俺ですが、実際は、顔つなぎのついでに音声結界を施して貰うだけなのですが。
 シルフが無言で首肯いてから、このタバサの部屋自体を音声結界で包む。これで、少々騒いだぐらいでは、隣や上下の部屋に騒音が漏れる事は有りません。ついでに、食後には眠る準備をした後に眠る俺やタバサの邪魔になる騒音と言うのも完全にカットされます。

 それに、俺が寝ずの番をする必要が無い分だけ、マシになったと思えば済む事ですか。

 次の依頼は、ハゲンチの番。そう思い、ハゲンチの方に向き直る俺。
 そうして、

「ハゲンチ。少々活動資金が心元無くてな。ここは日本ではないから、日本円が使えない世界。せやから、オマエさんの錬金術だけが頼りなんや」

 俺の依頼に、ハゲンチが無言で首肯く。
 ソロモンの七十二魔将の一柱、魔将ハゲンチ。その職能は人を賢くする事。さまざまな手技。技芸の伝授。そして、一番大きいのは、彼の身に付けた錬金術。
 伝承で語られる彼の仕事は、ソロモン王の莫大な富を
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