第1章 やって来ました剣と魔法の世界
第11話 男女七歳にして
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」
彼女の真っ直ぐな視線に、思わず、自の視線を在らぬ虚空に外しながらも、そう尋ねる俺。
但し、現在、俺が存在している国の名前が判ったトコロで、大した意味は無いのですが。
それに、先ほどのタバサとの会話から、この国がガリアである可能性は低いとは思いますしね。
「ここはトリステインの魔法学院」
タバサが、彼女に相応しい口調で、簡潔に用件に対する答えのみを返してくれました。
成るほど。ルイズの祖国で、タバサとキュルケは留学生と言う事ですか。
……ん? しかし、何か妙な点が有りますよ。
「アガレス。時空結界を頼む」
流石に、これから聞く内容は他人に聞かれるとマズイ内容と成ります。一応、時空結界で覗き、聞き耳対策を施して置くべきでしょう。
急に時空結界を施した為に、少し訝しげな視線で俺を見つめるタバサ。
それに、先ほどの俺の時空結界の説明の内容から、この結界を施したと言う事は、それなりの機密性を保つ必要が有る質問が来ると言うのは理解出来ているはずですから。
「えっとな。タバサは、もしかすると、ガリアからトリステインに送り込まれた潜入調査員のような仕事をさせられているのか?」
先ほど感じた疑問を、そのまま口にする俺。
そして、もし、彼女の正体が、ガリアからトリステインに送り込まれた潜入調査員だとすると、これは非常に危険な仕事と成ります。
これは、スパイの仕事。こんな仕事は、どう考えたって騎士の仕事では有りません。まして、少女に過ぎないタバサに出来るような仕事とも思えないのですが……。
しかし、タバサはふるふると首を横に振った。これは否定。
「なるほど、スパイの仕事をやらされている訳ではないと言う事か」
もっとも、その場合、何故、わざわざ留学などさせられたのか理由が判らないのですが。
母親を人質にしているから、逃げる事は無いと思っているのですか?
いや、そんな甘い考えでいるとも思えないな。
まして、国外に送り出すと言う事は、見張りの目を晦まして、タバサが旧オルレアン派の連中と接触する事も容易くなります。
更に、母親の方を旧オルレアン派貴族の一派が奪取した直後に、タバサが学院から姿を晦ませる事もガリア国内に居るよりは容易く成りますね。
普通に考えると、これは国を乱す元。こんな事をやっていたらクーデターが簡単に起きて仕舞うでしょう。
流石に、実際のタバサが、旧オルレアン派と結託してガリアに内乱を起こす可能性はゼロだと俺は知ってはいますが、現在の王家の人間はそうは思わないはず。
まして、本当にタバサのお父ちゃんを誅殺したのが現在の王ジョゼフ一世ならば、その罪悪感を逆にタバサへの猜疑心へと転化させて、彼女の事を信用出来るような精神状態に
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