本編前
第二話
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この世界が『とらいあんぐるハート3』の世界じゃないか、という疑惑を持って、つまり、入学式から一週間が過ぎた。この辺りになってくると、小学生といえども大小入り混じりながらもコミュニティーというものが出来てくる。つまり、いつも一緒に遊ぶメンバーだったり、いつも一緒に登下校するメンバーである。中学生とかにでもなれば、同じ部活の面々だったりするのだろうが、この身は小学生。必然的に家が近所だったりするメンバーが多い。しかも、まだ低学年のせいか、男女入り混じっているパターンが多々である。
そんな中で僕は変則的にいくつかのコミュニティーに所属している。どこにでも所属しているが、どこにも所属していないというべきか。なぜ、そんなに変則的かというと、簡単に言えば話が合わないのだ。
この身は小学生なれど、頭脳は大人。小学生相手に昨日の株価が〜、などと話をしてもまったく理解されないわけだ。彼らに通じる話といえば、カードゲームだったり、戦隊物の特撮だったり、アニメだったり、と僕にはあまり肌の合わない内容だったりすることが多々だ。まあ、クラスの中でまったく交流がないというのも日本人の気質からか、不安になるため、彼らに話を合わせるために嗜みながら交流しているわけだ。
割と所属する時間が多いのは、サッカーや野球など人数がいるスポーツが好きなメンバーが所属するところだろう。後は、まあ、保育園時代にガキ大将のようなものをやっていたときの癖なのか、クラス内の状況を探るために色々なコミュニティーに顔を出すようにはしている。
その過程で、何人か内気な性格の人間が初見の相手に何も言えずに孤立してしまうなんて事態が発生しかけていたので、気が合いそうなコミュニティーに無理矢理つっこんでやったりもした。大きなお世話かもしれないが、ここで孤立してしまうと辛い小学校時代を過ごしてしまうかもしれない、ということを考えるとやはり世話を焼きたくなるものである。なにより、孤立で弱いというは、最悪の場合、いじめを呼んでしまう場合があるのでやっかいだ。特に僕が世話を焼いた人間は、強くて孤立しているわけではなく、話しかけられなくて孤立しているという消極的な孤立だったわけだから、その可能性が高いと論じざるを得ない。何とかできないなら、放っておくしかないが、僕は割と顔が広いため何とか出来た。
そして、一週間も経てば、大体、コミュニティーというのも安定してくる。僕が世話を焼いたため、コミュニティーに取り残されたという人間はいないように思える。ただし、二人の例外を除いて。
一人は、月村すずかという女の子。しかしながら、彼女の場合は、消極的な孤立というわけではなく、望んでそうなったという感じだ。いつも小学一年生が読むとは思えない本を広げていることから考えるに、精神年齢がここ
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