痴女と酒酔い
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レビを点けてアニメを見ていると、
「何か、コメントは……?」
「自分の部屋で着替えろよ」
「あれ? そこは普通「俺を誘ってんの?」とか言わないの!?」
「お前が痴女なのは既に知っているからな」
楯無は泣き出したので俺はテレビを消した。
「さっきからうるさいんだけど。そんなに一夏を誘惑したいのならしに行けばいいだろ」
「実は今回はちょっと事情が違うんだなぁ〜」
ニヤニヤしながら俺に接近してくる楯無に、俺は困惑どころかため息しか出てこない。
「………どうせなら、簪さんの浴衣・上目遣いのコンボが良か―――」
―――ヒュッ
俺の横に剣が通過した。
楯無の瞳に光はなく、ISを部分展開して蛇腹剣《ラスティー・ネイル》が握られている。
「どういう意味かしら?」
「そのままの意味だ。簪さんの浴衣姿は―――」
「待って! 簪ちゃんの浴衣姿を見たことあるの!?」
「ああ。夏休みに絡まれているのを見て理不尽な喧嘩に巻き込まれていたから」
「……………」
楯無は絶句していた。
「あれ? どうした?」
「……ううん。………今は外に誰もいないわよね?」
「ああ。特に気配は感じないが」
「………実はね、更職家っていうのは―――」
そして聞かされたのは更職家が暗部の組織だということで、あの時は謀反が起きて簪さんと本音が狙われていたということらしい。
「なるほど。俺があそこにいたのはタイミングが良かったってことか」
「そういうことよ」
「なるほどな。敵もそれなりには訓練されていたわけか」
「え? それなりって……?」
「いや、勝つことには何の苦労もなかったからさ」
そう答えると楯無は複雑そうな顔をした。
「んで、それはともかく―――いつまでISを展開しているつもりだテメェ」
―――ミシミシ
「あ、痛ッ! でも、これが癖になるぅ!」
「だってさ、簪さん」
と、いつの間にか後ろにいた簪さんに振る。
「………え?」
「風宮君、私のことは簪でいいよ」
「じゃあ、俺のことも祐人って呼んでくれ」
「うん!」
いつもみたいにおどおどせず、今はすごくテンションが高かった。
そして足元には―――ウイスキー・ボンボンが落ちていた。
「あ、これはヤバいかも」
そう口にしたとき、酔った簪が楯無に近づいて、
「どういうことかな、お姉ちゃん。また祐人を誘惑しようとしたの? そして夫にして強い子孫を残そうとしたの? それとも―――祐人としたかったの?」
「ちょっ、簪ちゃん! 落ち着いて!」
「この胸? この胸で祐人を誘惑しようとしたの? そんなに私との差を見せつけて楽しいの?」
「祐人君! どうにかしてぇ!」
「あ、
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