戦いの裏の出来事
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ていた。………虚さんもかなりの手練だというのに、その虚さんを気づかせないなんて………。
「……そう、ですか……」
『ついでに言うと祐人は簪を私が保護した後にひと暴れした挙句にワンオフ・アビリティーを使用して体力尽きてそのまま海に落下。現在は医療室で昏睡状態に陥っているわ。まぁ、2,3日したら目を覚ますからすぐに隣に運ばれると思うけど』
シヴァからの説明に私は少し安堵した。けど………
『裏切られたとか、見捨てられたとか思っているならそれは勘違いよ』
「え―――?」
『それに、祐人が本当に見捨てるなら―――敵の装甲を再起不能にまで追い詰めるだけでなくそのまま海に落とさないし、ひたすら殴ったりするわけないわ』
ふと、臨海学校前に助けてもらったことを思い出した。あの時は私を助けるだけでなく車の屋根をへこませていた。
(………まさか、相手がISを装着しているからって手加減せずにボコボコにしたんじゃ………)
犯罪を犯したとはいえ、少しばかり同情してしまう。
―――ガチャッ
ドアが開かれた音に反応すると、そこには誰もいなかった。いや、既にこっちに向かって飛んできていた。
「姉さ―――」
―――ドンッ
落ちた。―――いや、叩き落とされた。
シヴァの手から鞭が舞い、姉さんを巻くと同時に床に叩き落としたのだ。いくら更職家の当主とはいえ、大丈夫かな………?
「簪ちゃん!」
「ひぃっ!?」
急に立ち上がったのはいいんだけど………怖い。鼻血を流しながらこっちを見られるとリアルだとすごく怖かった。
『痴女、鼻血拭きなさいよ』
「あ、ありがとう―――って、私は痴女じゃないわよ!」
「『……………』」
姉さんのツッコミにシヴァと虚さんは顔を背けた。
「それで……その………」
「簪ちゃん、大丈夫だった? あの女に何もされなかった?」
「された………って言ったら?」
「ちょっとその女を消しに行こうかと………」
『落ち着きなさい。目が虚ろになっているから』
私の発言で一瞬にして目が虚ろになった姉に、驚きを隠せなかった。
『まぁとにかく、今のでわかったでしょ? あなたのお姉さんは恨んでいないって』
「え? 簪ちゃん、まさかそれが原因で………」
『あ〜、はいはい。そういう空気は私がいないところでやってよね。ほら虚、出るわよ』
「え、ちょ―――」
シヴァが空気を読んで虚さんと一緒に保健室から出ていった。
だから―――私は以前のようにお姉ちゃんに甘えた。
「簪ちゃん、私は一人でミステリアス・レイディを組み上げてないわよ」
「………え?」
■■■
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