第31話 少女の想い、少年の決意
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ら前進む事だけ考えてりゃ良いのさ。他は後回しで良い」
食い尽くした魚の骨を草むらの中に捨て去り、もう一本の魚に手を付ける。それを齧る前にちらりとクロノを見た。
その目は真剣その物であった。
「お前には有る程度は俺のいろはを叩き込んだ。それに、そろそろ俺もソロで活動したかったところだ。そろそろお袋さんに顔を見せてやれ」
「早川さん」
「親が居る内に目一杯親孝行しておけ。死んじまったら後悔してももう戻れないんだからよ」
「……はい!」
固い決意の元、クロノは立ち上がる。
木に引っ掛けてあったデバイスを手に取り早川を見る。
「有難う御座います。早川さん」
「おぅ、気をつけて行って来いよ」
ぶっきらぼうに手をヒラヒラさせて言う早川を見て苦笑いを浮かべながらもクロノは飛び去って行った。
そんなクロノの背中を早川は何処か嬉しそうに眺めていた。
「良い目つきになったじゃねぇか……さてと、アイツも居なくなった事だし、残りの魚全部頂いちまおうっと」
そう言ってみてる早川の前にはまだ魚が5本串に刺さっていた。
***
フェイトの目の前には起動したジュエルシードが起こした巨大な竜巻が発生していた。
天空を切り裂くほどの巨大な大竜巻が六つも起きていたのだ。それらを全て封じなければこの巨大竜巻は町に向ってしまう。
そうなれば大惨事は間違いない。
「私が……私があの子の、なのはの分も頑張らないと!」
必死に大竜巻と戦うフェイト。だが、力の差が違い過ぎる。その為フェイトが放つ魔弾も全く歯が立たない。アルフも援護しているが焼け石に水であった。
「やっぱり無理だよフェイト! このままじゃフェイトの体がもたない…」
「でも、ジュエルシードが無ければダンさんを助けられない! だから、だから…」
フェイトは強い決意の元竜巻に挑む。バルディッシュの刃を展開させて一つの大竜巻を叩く。
だが、巨大な質量を誇る竜巻を前にフェイトの軽い体は軽々と吹き飛ばされてしまった。
「あうっ!」
「あぁ、フェイト!」
アルフが助けに向おうとする。が、そんな彼女の前に巨大な竜巻が立ち塞がる。
このままでは弱ったフェイトの体は海面に激突してしまう。
正にその時であった。突如青い閃光がやってきてフェイトを抱え上げる。
閃光が無くなり、其処に居たのは一人の少年であった。
「間に合ったみたいだね」
「え? ……き、君は? 君も魔導師?……」
「まぁ、そうなるね。自己紹介は後回しにしよう。まずは…」
少年は目の前にある6つの竜巻を見る。どれも巨大であり激しくうねりをあげている。
まともに巻き込まれれば人間の五体などあっと言う
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