第七十六話
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権能の一つ。自分が殺した人間の魂を拘束し、死後も隷属を強いる。現れた従僕は生前の能力を幾ばくか引き継ぐらしい。
死者の尊厳を奪う力にユカリは嫌悪感を覚える。
ヴォバン侯爵が従僕を呼びつけた瞬間ユカリは封時結界を使用し、辺りを結界で現実から切り離す。
「ほう、結界か何かで私を閉じ込めたか」
もうユカリは相手の問答に答えない。話し合いで解決をはかる時間はすでに終わったのだ。
ユカリは駆け、従僕の四人を切り裂き、滅した。
「ほう、やるではないか」
塵に還った従僕を特に感慨も無くうろんな視線で見つめ、役立たずと侮蔑するような表情で次の従僕を呼び出した。
ユカリに向かってきた従僕は生前に比べればその動きは緩慢で、ユカリの力量を考えればまだ問題は無い。しかし、その物量に剣での突破は難しかった。
ヴォバン侯爵は笑いながら、腕の一本でも塩に変えてやろうと虎の瞳を輝かせる…が。
「む?神の加護に弾かれたか。存外アテナはおぬしを気に入っているようだな」
ソドムの瞳で塩化させようとしたヴォヴァン侯爵の呪力はアテナの神力によって弾かれたのだ。
ならばとさらに従僕を呼び出し、狼もけしかける。
「レーヴェっ!」
『ロードカートリッジ』
ガシャンと薬きょうをロードする。
『フリーズバレット』
剣術で相手をする事を諦め、ガンブレイドの引き金を引き打ち出された弾丸は着弾と同時に従僕と狼を凍らせる。
念能力で風と水を操るユカリだが、古代ベルカに転生する事により得た魔力変換資質。それは『凍結』であった。
両のガンブレイドから打ち出される無数のフリーズバレット。
見る見るうちに従僕達が凍結していく。
弾丸はついに従僕達を殲滅しヴォバン侯爵へと殺到する。
ヴォバン侯爵には驕りも有っただろう。今まで自分の呪力で無力化できなかったものなどまつろわぬ神か神獣の攻撃くらいしかなかったのだから。
当然ヴォバン侯爵に避けるなどと言う選択肢は無かった。
が、それは傲慢と言うもの。
着弾したそれは呪力などものともせずにヴォバン侯爵を凍らせにかかる。
「ぬ?うおおおおおぉぉぉぉぉぉっぉっ!」
着弾した後も撃ち続けるユカリの魔法は着実にヴォバン侯爵の表層を凍らせて行く。
ユカリはヴォバン侯爵が全身凍りつくのを確認するとチャンバーをスライドし入れ替える。
そのユカリの攻撃が止ったとき、ヴォバン侯爵の氷像は内側から膨れ上がり巨大な人狼が現れた。
「なめるなあああああああっ!」
人狼に変態し、激昂するヴォバン侯爵。それは狼の遠吠えに良く似ていた。
ヴォバン侯爵の感情の高ぶりで空に嵐が吹き荒れる。
『レストリクトロック』
「ぬ
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