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エターナルトラベラー
第七十六話
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ある。そうにらんでリリアナは遠くから監視を続けると、アテナが来訪したではないか。

家の中で何をしているのか。二時間ほど待っていると突如としてアテナの神力が去るのを感じた。

アテナは何かをしにここにやって来て、そして去った。

この事をヴォバン侯爵に報告するか否か。

逡巡したリリアナだが、カンピオーネの前で虚偽を報告する勇気はリリアナには無かった。

ヴォバン侯爵の所まで戻り、詳細を説明するとヴォバン侯爵は色めき立つ。

「案内せよ。すぐに行くとしよう」

「はっ。しかしながら(こう)。すでにアテナは去ってしまわれましたが」

「その家に住むものはアテナと関係を持つのだろう?ならばそいつに聞けばアテナが何処に居るか分かろうものよ。分からねば八つ裂きの末アテナの供物として捧げてやろうではないか」

リリアナはヴォバンの暴君ぶりに自身の正義感を汚される思いだったが、逆らえるはずも無く、結局リリアナはヴォバンを案内する。


時間にして夜の10時と言った頃。

ユカリはアテナと甘粕を送り出した後、今日学校で出された宿題を片付け、後は入浴して睡眠と言った感じの時、並々ならぬ気配を家の外に感じた。

その直後、玄関の扉を破り20匹ほどの狼が家を破壊しながらユカリの元まで駆けて来てユカリを取り囲む。

どう見ても普通の狼ではない。

狼はユカリを見ると、その四肢に食らい付かんばかりに飛び掛った。

『ラウンドシールド』

レーヴェがユカリの周りにバリアを展開する。

狼は突然現れたバリアに激突するも、狼は突進をやめない。

「ありがとう、レーヴェ」

『問題ありません』

突然の襲撃。しかも狼は躊躇い無くユカリの四肢をもぎ取りに掛かった。

…つまり相手はユカリを殺す気で来たのである。ヴォバン侯爵にしてみれば、四肢が欠損しようがしゃべれれば問題なし。たとえ死んでしまったとしても特に感慨は無かっただろう。

ユカリとしては逃げるか、それとも戦うか選択しなければならなかった。

逃げるだけならばおそらく封時結界内に逃げ込めば簡単だ。

アテナからですら逃げきれたのだ。この世界の人間が感知できるとは思わない。

しかし、相手は自分の家に襲撃をかけてきたのだ。

つまり、逃げるのは良いが、逃げたら二度とここへは戻って来れまい。

少しの間考えて、ユカリは戦う事に決めた。

もちろん死ぬかもしれないと言う恐怖はある。

理不尽に命を奪い、奪われる事を目の前で見てきた過去を持つユカリ。だから、これも理不尽な事の一つなのだろうと割り切る。

ユカリに何か落ち度があった訳ではない。

相手が相手の都合でこちらを襲ってきただけの事。

理不尽には抗わなけ
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