第七十六話
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もなれるのですよ」
と、甘粕も諭す。
むー、と膨れながらユカリは鼻を曲げる。
「甘粕さんが協力してくれれば一年後には結果が分かる事なのだけれど、まあいいわ」
今、甘粕は自身にとって何かスルーしてはいけないフラグが有った気がしたのだが、話題を変えたユカリに問いただせずに終わる。
「そのヴォバン侯爵ってどう言う力の持ち主なの?もしも…本当にもしも戦う事になってしまったら、相手の事を知っている方が何かと有利だし、対策も考えられるのだけれど」
「それに関しましてはいくつかの能力は有名ですからお教えできるのですが、彼がいったい何人のまつろわぬ神を屠ったのか、正確な数は分からないものですから、全てをお教えする事は出来ません」
「それでも構いませんよ」
「そうですか」
それから甘粕から語られたヴォバンの権能は4つ。
貪る群狼《リージョン・オブ・ハングリーウルヴズ》
死せる従僕の檻
疾風怒濤《シュトルム・ウント・ドランク》
ソドムの瞳
「ソドムの瞳だったかしら?睨むだけで人を塩柱に変える魔眼。それが一番厄介ね。他の能力はまぁ、何とかなるでしょう」
と、話を聞いたユカリが言う。
「問題は射程距離ね。アテナ、あなたの石化の魔眼って射程はどのくらいなの?」
「ふん。妾の力を持ってすれば視界に収まる全てを石に変える事も可能よな」
「うわぁ…キロ単位かぁ…もしも相手がそれまでの射程を持っていたら打つ手は無いわね。会敵した瞬間塩になってお終い。まぁ、脳と腕を一瞬で塩化されなければ助かる事も可能だろうけれど…」
「草薙さんをあっさりと打倒した貴方にしては弱気な発言ですな」
と、甘粕。
「魔眼は強力よね。プロセスの一切を省略し、見る、睨むだけで効果を発揮するのだもの。大抵の場合向き合った瞬間終わっているわよ」
アテナの石化をレジストできたのは幸運だったわとユカリ。
「仕方ない。ユカリに妾の加護を授けてやろう」
「へ?」
突然のアテナの申し出にユカリは驚いた。
「おぬしが何処で死のうが妾は構わぬ。しかし、妾に勝った人間が、そんな間抜けな死に方をしたとなってはおぬしに負けた妾の恥ゆえな」
アテナは自然体でユカリに近づくとおもむろにその唇を押し当てる。
どこに?
当然ユカリの口にだ。
アテナはそのままユカリ口を蹂躙し、口から体内に自分の神力を流し込む。
「うっんんっ…」
ユカリの体の中に何か熱いものが入ってくる。
唇を離すとつつーと唾液の橋が架かり消えた。
「はぁ…はぁ…あ、…アテナ、今のは?」
「妾の加護を与えてやったまでの事。これでソドムの瞳で塩化する事はあるまい」
「そ
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