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『もしも門が1941年の大日本帝国に開いたら……』
第六話
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を見ていた樹は首を横に振った。

「あなたッ!!」

「父さんッ!!」

 亡くなった夫に妻と娘が抱きつき、涙を流す。樹達は気まずい雰囲気にどうしようとなかった。

 だが水野兵曹長は鉄帽で目元を隠して二人に近づいた。

「……奥さん、旦那さんの墓を作りましょう」

「……はい」

 涙を流して妻は水野兵曹長の言葉に頷いて夫から離れた。娘はまだしがみついていたが妻が「離れなさい」と言うと渋々と頷いて夫から離れた。

「穴掘るぞ。片瀬、シャベル持ってこい」

 樹は運転席にいた片瀬に指示を出す。

 そして樹達は亡くなった夫のために墓を作ったのである。

「黙祷……」

 樹の言葉に水野兵曹長達は手を合わせる。妻と娘は片膝を地面につけて夫の冥福を祈った。

「私もぉ祈っていいかしらぁ?」

 その時、樹の後ろから声がした。樹が振り返るとそこには黒いゴスロリの服を着た少女がいた。右手には少女には重すぎるハルバートを持っている。

「ロ、ロゥリィ・マーキュリーッ!!」

 少女を見たヒルダが叫んだのであった。







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