閑話ー現実と仮想の演舞ー
27.現実でもゲーム三昧
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「てぇぇっ!!」
道場に女の子の威勢のいい声が響き渡る。小さな道場ではあるがちゃんとした道場で練習をするにはいい練習場だ。
「てぇっ!!やぁっ!!」
視界に映るのは、防具をつけ竹刀で次々と嵐の如く攻撃を繰り出してくる女の剣士の姿が。
剣道において面、胴、小手、突きのいずれかが入ることで審判が判定し、それを一本と認め、基本的に三本勝負で行われる競技だ。だが、今の俺は猛攻を全て竹刀で受け止める。受け止めずに防具で受けることも出来るがそれは剣道においてのルールで現実世界、又は仮想世界ではそれは一本になるのではなくダメージとして体に認識される。
だからこそ俺は全ての攻撃を竹刀で受け止めている。
だが、女剣士の猛攻はさらに続く。上から振り下ろされる竹刀、それに合わせるように俺も竹刀を下から上へと振り上げ竹刀同士が激突する瞬間、振り下ろされる竹刀の刃を沿うようにし、体勢を少し屈め相手の懐に侵入。そして沿った勢いを利用し、胴に一撃を加える。
「どぉぉぉう!!」
互いに試合の終わりを告げる礼をする。
「やっぱり強いね、集也くんは....」
女剣士は、頭を覆っていた面を外し笑顔でこちらを見てくる。結構激しい試合だったため、その額には汗が流れ、手ぬぐいを外すと黒髪のショートの髪が汗で少し濡れていて色っぽい。
「どうしたの、集也くん?」
「んっ.....な、なんでもない、スグ!」
いくら付き合ってるからと言え、さすがに面と向かって、見惚れてた、なんて言えない。
「ならいいけど。で、集也くん、今日はどこ行こっか?」
「そうだな..........」
スグと付き合い始めてから四ヶ月くらい経った。
《浮遊城アインクラッド》がALOに出現してから一週間が経っち、今はまだ第四層の攻略途中だが、SAOのことを考えると早いペースだ。
「まあ、今日は街でデートでいいんじゃねぇか?」
「それなら早く準備しないとね」
スグは立ち上がり、俺の手を引いて道場から出る。
「直ぐに準備してくるから集也くんも早く準備してきてね。準備出来たら家の前で待ってて」
そう言い残し、スグは家の中へと入っていった。
とりあえず俺も家に戻り、軽くシャワーを浴びて着替える。今日の気温は暖かいので少し薄めの黒い長袖のパーカーに下は、青のジーパンを履き、財布と携帯をポケットに入れて家の外に出た。
俺が家を出るともうスグは、家の前で待っていた。スグの格好は、赤色のコートにそこからのぞくタータンチェックのスカート。
「ゴメン待った」
「ううん、あたしも今出てきたとこだから」
(こんな定番のカップルの会話が心地いい)
「それじゃあ、行くか」
「うん」
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