第二十八話 倫理その二
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「まずはだ」
「倫理を教えますね」
「人もまた世界の礎なら」
「それも極めて重要な」
「その質もだ」
それもというのだ。
「だからな」
「教育に重点を置き」
「倫理もだ」
その教育の中でというのだ。
「教える」
「そうしますか」
「桁外れの無学、無知の輩はだ」
「倫理もない」
「倫理も学問でありだ」
そうであってというのだ。
「知識だ」
「そうなるからですね」
「何も教わっていないということもな」
「倫理もないですね」
「そうなる」
まさにというのだ。
「はっきりと言うとな」
「信仰のそれも」
「人と獣は違うというが」
義青はこうも言った。
「獣未満だ」
「倫理のない輩は」
「獣も生きる中で彼等の世界の決まりを守る」
「決まり、それはですね」
「倫理だ」
そうなるというのだ。
「獣、狼や熊もだ」
「それぞれの暮らしの中で学ぶ」
「群れなり親なりからな」
「それで生きていく」
「だが人でだ」
「教わっていないのなら」
「獣未満のだ」
そうしたというのだ。
「何もわからず善悪の判断もつかない」
「そうしたですか」
「そうだ、それにだ」
それと共にというのだ、義青はこの世界でも起きた世界でも彼が見て来たそうした輩のことを話していった。
「善悪がわからないなら扇動者にもだ」
「煽られますね」
「嘘を嘘とわからずな」
扇動者は嘘を吐く、それも平気でだ。
「そしてだ」
「善悪もわからず」
「クーデターを起こせと言われるとな」
そうすると、というのだ。
「それが暴力、犯罪であってもな」
「それすらわからず」
「煽られてだ」
そうしてというのだ。
「そのうえでだ」
「犯罪を犯しますね」
「そうなる、まさにだ」
義青は忌々し気に言った。
「白痴だ」
「そうなりますね」
ラダメスは眉を曇らせて応えた。
「そうした輩は」
「究極の愚者だ」
「どうにもならない」
「愚直という言葉があるが」
義青はこの言葉も出した。
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