第二章
[8]前話
「鬱にもなって」
「そのまま過労死ですね」
「それか自殺とかね」
「そうなりますね」
「その人はまだ考えられて何とかね」
「逃げられましたね」
「そうだよ、それでその会社がどうなったか」
福田は難しい顔で話した。
「人をそんな風に扱うなら」
「潰れますね」
「その業界じゃなくてその会社がおかしくてね」
「上司の人はそうした業界って言っても」
「それでね」
そうであってというのだ。
「人が潰れたりその人みたいに逃げて」
「いなくなりましたね」
「それで悪評も立ってね」
ブラック企業であるとだ。
「人が来なくなって取引先も去って」
「潰れましたか」
「今はね」
「当然ですね」
高橋はそれはと答えた、そして福田と一緒にうどんを食べて会社に戻って仕事を再開した。そして定時に帰ったが。
家に帰ってだ、同居している母親に言われた。
「あんた今顔色いいわね」
「そうなんだ」
高橋は部屋着で食事の後ビールを飲みつつネットで野球を観戦している、観れば巨人が三十点差で負けている。
「今は」
「前の職場の時はね」
「ああ、忙しくてね」
「顔色も悪かったわね」
「ずっと働いてね」
「そうだったけれど」
それがというのだ。
「今はね」
「今は八時間でね」
労働時間はというのだ。
「定時に帰ってるし」
「今みたいにビール飲みながら野球観られるわね」
「ちゃんとしたもの食べてね」
「お風呂にも入って」
「そうだけれど」
それでもというのだ。
「ちゃんとした時間で働けたら」
「八時間ね」
「それで定時に帰られたら」
それならというのだ。
「こうして余裕もあって」
「明るくなれるわね」
「そうだね、労働時間って大事だね」
高橋は心から思って言った。
「ただ時間があるだけでなく」
「余裕もあってね」
「そして仕事もちゃんと働けるしね」
「疲れていないから」
「本当にいいよ」
こう言って野球を観ていった、そしてこの日はぐっすり寝て時間があるので日課としてはじめたランニングを行いシャワーを浴びてから出勤した。そうして明るく働くのだった。
一日八時間労働 完
2025・7・21
[8]前話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ