第一章
[2]次話
一日八時間労働
その話を聞いてサラリーマンで以前ブラック企業に勤めていた高橋秀文小さな穏やかな目と高い鼻に優しい顔立ちの顎の形がいい一七〇位の背で均整の取れた身体にやや茶色の癖のある髪の毛の彼は言った。
「ないでしょ、それ」
「いや、あるんだよ」
この話をした上司で主任の福田修平眼鏡をかけた面長で黒髪をセットした高橋とよく似た背丈と体形の彼は話した。
「凄いことにね」
「一日二十時間労働ですか」
「そんな会社もね」
「死にますよ」
高橋は真顔で言った、今はうどん屋で向かい合ってうどんを食べつつ話している。
「確実に」
「実際に七十代の身体になっていたらしいよ」
「ボロボロですね」
「二十代でね」
「殆ど寝てなくて」
「そう、そしてね」
そうであってというのだ。
「食事もね」
「まともじゃなさそうですね」
「その業界はこれが普通とかね」
「上司の人が言って」
「流石にいつもこうじゃなくても」
「普段もとんでもなさそうですね」
「そう、それでね」
そうした労働環境でというのだ。
「辞めて養生して今はね」
「別の仕事していますか」
「そうだよ」
「僕も前の職場はブラックで」
高橋は鴨なんばうどんを食べつつ言った。
「週六日一日十二時間でした」
「それもアウトだね」
「それで辞めてこっちに来たんですが」
「君がいた会社今大変だね」
「内部告発ありまして」
そしてというのだ。
「労働基準監督署が来まして」
「労働基準法違反でね」
「大問題になりまして」
それでというのだ。
「経営陣は一新しまして」
「大騒ぎだね」
「はい、しかし二十時間ですか」
「あるんだよ、そんな職場も」
「それは本当に死にます」
「過労死間違いなしだね」
「そんな会社にいる位なら」
それこそというのだ。
「辞めた方がいいですね」
「そうしたところにいたら考えられなくなってね」
そしてとだ、福田はきつねうどんを食べつつ言った。
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