第二十七話 距離を縮めるその五
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「実はまだ出していない技術がある」
「義青様がご存知の」
「電気を出してな」
この技術をというのだ。
「ラジオやテレビを出して電話もだ」
「出して下さいましたね」
「トランシーバーもな、しかしだ」
「まだですか」
「出していないものがある、そしてだ」
「そうした技術はですか」
「大戦艦等に残しておくが」
しかしというのだ。
「それでもだ」
「出されないですか」
「出していい技術とそうでない技術がある」
「出すには早い」
「そうだ」
まさにというのだ。
「そうした技術や知識はな」
「出していないか」
「ずっとな」
そうしているというのだ。
「多少早いと思ったものもあったが」
「牛痘ですね」
信が言ってきた。
「あちらですね」
「そうだ、あれはな」
その牛痘はというのだ。
「早いと思った」
「出すには」
「だが天然痘は大きな脅威だ」
「確かに」
信も厚生大臣その医療を司る者として答えた。
「あの病だけで、です」
「深刻な害となる」
「国にとって」
「起きた世界でもそうだった」
義青はそちらの世界のことも話した。
「感染症で滅んだ国はないがな」
「大きな被害は受けますね」
「ペストやコレラもそうだが」
「天然痘もですね」
「だからだ」
「牛痘を早いうちに出されましたね」
「そうした、さもないとな」
義青は信に話した。
「多くの犠牲が出てだ」
「国が傾いていましたか」
「そうなっていた」
「左様でしたね」
「もっと言えば衛生自体も」
この観念もというのだ、義青はこれまで自分がこの世界で行ってきた政を振り返りつつ話していった。
「そうだがな」
「清潔にすることですね」
「水道を整えゴミを再利用したりな」
「出したものについても」
「井戸の場所もだ」
「清潔な場所にする」
「そうしていったが」
そうした政策についても話した。
「それもだ」
「早かったですか」
「今思うとな、メソポタミアの都市国家の頃からだったが」
その頃からのことを思い出しつつ話していった。
「衛生もだ」
「徹底しましたね」
「手も洗い風呂も入りな」
「服も洗う」
「そうもしてだ」
そのうえでというのだ。
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