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オッドアイも遺伝する
第一章

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                オッドアイも遺伝する
 生まれたばかりの自分の娘を見てだ、旧姓佐藤菫今はディカプリオ=菫やや面長の顔で色白で大きく澄んだ二重の目に小さなピンクの唇を持つ薄茶色のセミロングの髪を持ち一五七程の背でスタイルのいい彼女は驚いた。
「目の色が同じね」
「僕とね」
 夫のフランソワカナダから日本に来ている通訳をしている彼は答えた。セットした金髪に彫のある高い鼻を持つ長身痩躯で右目が青左目が緑の彼が応えた。
「同じだね」
「右目が青で左目が緑なんて」
「顔立ちは君でね」
「遺伝するのね」
 菫は自分達の娘、菖蒲と名付けた彼女が目を開いたのを見て言った。
「目の色も」
「うん、そうしたこともね」
 夫は妻に答えた。
「あるんだ」
「それは知ってたけれど」 
 それでもとだ、菫は言った。
「アジア系だとね」
「皆目の色が黒いからだね」
「わからなかったわ」
「けれど白人だとね」
「目の色が色々で」
「それでだよ」
 その為にというのだ。
「遺伝もするんだ」
「そのことが今実感としてわかったわ」
「そうなんだね」
「ええ、ただね」
「ただ?」
「目の色がどうでもね」
 菫は微笑んで話した。
「いいわ」
「目の色で人が決まるか」
「そうじゃないわね」
「そんなことはないよ」
 フランソワは微笑んで答えた。
「全くね」
「そうよね、私の顔で黒髪で」
 見れば髪の毛の色はそうであった。
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