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霧の向こうのハーレム
ハーレム生活
お告げ

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『よく来たな、少年。』

 どこからか声がする。そしてどこかで聞いたことがあるような。

『左様。私が君をここに導いた。』

 導いた?あんた誰だ。

『自らの守り神となる神に君は随分と不遜な態度をとるのだな。まあいい、君を導いたのには訳がある。
 まあすべての物事には訳があるが。君が「この島」を救うのに適任だと思ったからだ。』

 男なんて俺以外にもいただろ。

『そうなのだが、都合よくあの池に君がいたからだな。しかも一人で。』

 一人で悪かったな。

『別に(けな)しているわけではない。「あの池」は「この島」をつなぐ入口の一つなのだよ。』

 そうなのか。てことはあの霧を起こしたのもあんたか?

『いかにも。私は天気を司るわけではないが多少なら操ることができる。
 そして言い遅れたがようこそ「この島」へ。』

 人一人拉致しておいてよく言う。

『そう怒るな。私とて「この島」の状況には憂いていた。8年も男がいない上、男児も生まれなかった。いなくなる前に身籠ったのはすべて女児だった。
 そろそろ「どげんかせんといかん!」ということでお前を導いた。』

 また古いネタを。

『てへっ☆』

 やめろよ、気持ち悪い。

『さて、冗談はさておき。私はそろそろ行くよ。神も暇ではないからな。』

 おい、待てよ。

『ん?なにかね。』

 あんた、また来るだろ。

『・・・さあね。君が望めばまた来るだろう。くれぐれも彼女たちに無茶はするなよ?』

 わかってるよ。

『ふっ、無理して導いただけのことはあるかな。』

 なんだって?

『いや、なんでもない。』

 それっきり声は聞こえなくなった。



















「・・・今のは夢、か?どこからか声が聞こえてたが。なんかデジャブだな。」

 外はまだ暗い。やはり夢か?
 
 「この島」に来てまだ2日。俺の本格的な生活が始まった。
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