暁 〜小説投稿サイト〜
インフィニット・ストラトス〜黒き守護者〜
文化祭、開幕!
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やらさっきの事を目撃されていたらしく、それで店に来たみたいだ。……まぁ、店の看板を武器にしていたら仕方ないだろうな。
 そして女子に混じって接客を行う。

「食料調達に荷物運びか。案外忙しいんだな」
「かざみんよりおりむーの方が大変だったよ〜」
「それもそうか」

 あいつは接客もしているもんな……。しかもゲームも付き合わされているし。
 そして現在は友達と合流するらしく、それも含めて俺が接待をさせられているのだ。

「おかえりなさいませ、お嬢様」

 何だろう。微妙に懐かしい気がするけど、俺はどこかの屋敷で働いていたのか?

(いや、ないない。俺がそんなことするわけないだろう………)

 お屋敷で働くって、俺何者だよ。

『お嬢様、鞄をお持ちします。
 今日はいい天気ですね、お嬢様』

 想像しただけで吐き気がした。

「か、風宮君、大丈夫?」
「……ああ。ちょっとシミュレーションしたら最悪な感じだった」

 そう答えるとふと気づく。一夏に関するクレームが激しいらしく、客たちは騒いでいた。

(……やりますか)

 俺は厨房に入り、ケーキ作成などを手伝い始める。

「「「え………」」」

 近くで見ていた女子生徒たちが唖然としていた。

「どこかおかしいところでもあったか?」
「い、いえ」
「何も。というかむしろ上出来……」
「そうか? なら続けるぞ」

 そしてできたのは簡単なケーキにプリン。

「これは冷蔵庫とかに入れておけばなんとかなるだろう」

 それだけやって俺は接客に戻る。

「あ、祐人」
「戻ったか一夏。早速5番テーブルに注文が入っている」
「ああ、わかった」

 それだけ伝えて俺はサボろうとしたが、本音によって邪魔された。

「いや、俺も回りたいんだけど……」
「じゃあ、私と回ろう!」
「………」
「? どうしたの〜?」
「いや、何か見られた気がしただけだ………」

 そう言って俺はその場から離れる。

「え? ちょ、かざみん、待ってよ〜」

 後ろから追いかけてくる本音は、どこか小動物を思わせた。それを口に入れてあげると喜ぶ。

(簪さんもそうだが、俺にはこんな小動物に縁があるのか?)

 本人は無自覚だけど、浴衣美人の部類に入るからなぁ。将来できる彼氏が羨ましい。
 
「ってか本音。お前はもうちょっと女としての自覚を持て」

 もう持つことがくせになっているティッシュを出して口の周りを拭った。

(こいつの彼氏は彼氏―――というより保護者になるだろうな……)

 そう思いながら俺は近くのゴミ箱にティッシュを入れるのだった。
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