楯無は痴女
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「それでちょっと話を聞いてくれると助かるかなぁ」
そしてその目は少し真面目だった。
(どう思う)
『聞いてみる価値はあると思いますよ』
セバスがそう言うので俺は少しばかり付き合ってやることにした。
「まぁ、ある程度は予想はつくが、いいだろう」
そう言って俺は着替えから一枚のシャツを投げ渡す。
「これ着るのが条件な」
「いいわよ」
俺たちは荷物を持って自分の部屋に移動した。
「………んで、俺たちの遺伝子が目的か? ロシア代表」
「あら、私のことを調べたのね」
「まぁな。……それで、どうなんだ?」
「ハズレよ」
「………だったら何で俺まで巻き込むんだ。どうせ外部から俺たちを狙う奴でも現れたんだろ」
「あら、鋭いのね。まぁ全容までは言えないけどね」
「だったらお断りだな」
そして俺は予め持ってきていた荷物をセットし直す。
「己の力を過信しすぎると、いつかその身を滅ぼすことになるわよ」
「安心しろ。それはない。俺はあの天災と違ってある程度の弁えは持っている」
『安心しなさい。私もいるから』
そう言ってシヴァはさも当然のように俺の隣に寝る。
「………はいはい、わかったわよ。それじゃあね」
楯無は諦めたのか、そのまま部屋を出た。
■■■
「………はぁ」
祐人の部屋から出た楯無はため息を吐きながら廊下を歩いていた。
「やっぱりダメでしたか?」
近くで控えていた虚が姿を現し、楯無と並んで歩きだした。
「ええ。必要ないって言われてね。………昔は素直だったのに」
「環境によって性格が変わったのでしょう。それに―――どうやら記憶がないようですね」
「……そう、みたいね」
楯無が悲しそうな顔をしながら途中で虚と別れ、一夏の部屋に向かった。
「………どうしてよ、バカ祐人」
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