第26話 怪獣殿下
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配から解放された直後な為かとても大人しい。仕留めるなら今しかない。
「よし、後はゴモラを始末するだけだ。協力して叩くぞ甲児君!」
「任せろ! 一気に叩き潰してやらぁ!」
「待って下さい!」
一斉攻撃しようとした甲児達に対しなのはが叫ぶ。その声を聞き皆が動きを止める。
「何だよなのは! 相手は怪獣だぞ!」
「それでも待ってて下さい。私が何とかしてみます」
「何とかって! 馬鹿な事言ってんじゃねぇ! 食われちまうぞ!」
なのはが優しい性格だと言うのは理解していた。だが、今回は相手が違い過ぎる。彼女が救おうとしているのは道の端っこでいじめられてる子猫や子犬じゃない。40メートル以上はある怪獣なのだ。その気になれば人間など一息で殺せてしまう。そんな相手を救おうなど無謀も良い所である。
「冗談じゃねぇ! こいつが暴れださない内に始末しねぇと大変な事になるぞ! 其処を退け! 俺とマジンガーで叩き潰す!」
「甲児君の言う通りだ! これ以上被害を出さない為にも今此処で…」
甲児と竜馬の言葉はなのはの睨みで消えうせた。
今までなのはが見せた事のない怖い顔だ。鋭い目線でこちらを睨んでいる。其処には強い意志が込められている。
下手に手を出せばかなり痛い報復が来るのは明白であった。
「おいお二人さん。此処はあいつに任せてみたらどうだ?」
「隼人!」
「どの道何か策があるんだろう? それに、何かあったら無理やりにでもアイツを引っぺがしてゴモラを仕留めりゃ良いだけだ」
簡単に言ってくれる。しかし、現状はなのはに一任するしかない。
「フェイト。もしゴモラが暴れだしたらなのはを遠くまで離れさせてくれ。その直後に俺達がしとめる」
「分かりました」
皆が身構える。何時ゴモラが暴れだしても良いようにだ。今ゴモラはジュエルシードの影響から抜け出した直後の為に大人しくなっている。しかし、何時また暴れだすか分からない状況だ。皆に緊張が走る。二体のウルトラマンも黙って見ている。だが、余り時間がない。暴走したゴモラとの激戦のせいでかなりエネルギーを消耗してしまった。残りエネルギーが少なくなっている。
そんなゴモラの目の前になのはが近づく。
「もう大丈夫だよ…誰も君を傷つける事はないよ…だから、もうお帰り」
そっと語り掛ける。ゴモラは黙ってそれを聞いていた。そう言いながら何となのははゴモラの額にそっと手で触れる。
すると、突如としてゴモラは皆に背を向けて歩き出して行った。まっすぐ何もせずに歩いて行く。
故郷に帰って行ったのだ。驚くべき光景であった。怪獣と言えば皆見境無しに暴れまわる存在だとばかりに思われていたのだ。それが今こうして大人しく帰っていく。それが信じられなかった。
「すげぇ
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