第26話 怪獣殿下
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……)
ゴモラの声は更に悲痛さを増している。ジュエルシードにより体を乗っ取られ、今心までもが支配されようとしている中、渾身の力を振り絞って叫んでいるのだ。その叫び声がなのはに届いたのだ。
「ゴモラが助けを求めてる……本当はこんな事したくなかったんだね」
なのはは知った。ゴモラの心の叫びを。本当はゴモラとて暴れたくない。だがジュエルシードの力により強制的に暴れさせられているのだ。止めなければならない。あんな悲しい目をした怪獣をこれ以上悲しませたくない。ならば一刻も早くジュエルシードを取り出さなければならないのだ。
確信したと同時に双方の時間が動き出す。またゴモラは暴れだす。
が、なのはは冷静にレイジングハートを構える。やる事は既に分かったからだ。
「レイジングハート。ジュエルシードの場所を教えて! 一点集中で撃ち抜くから」
【既に確認済みです。ジュエルシードは怪獣の胸部にあります】
レイジングハートからの情報は正確だった。しかしその場所と言うのがゴモラの最も堅牢な胸部にあると言う。此処を撃ち抜くには拡散型では意味がない。収束型で貫通させるしかない。それも寸分も違わぬ様にだ。正しく細い針に糸を通す作業と言える。
「フェイトちゃん、皆! 私がジュエルシードを取り出すから下がってて!」
「なのは、出来るの?」
「収束型で撃ち抜けば行ける筈だよ。任せて!」
地上から降りたなのははレイジングハートの穂先をゴモラの胸部に向ける。集中する為他一切の魔力を切っておく。こうする事で射撃にのみ集中出来るからだ。ゴモラが目前まで迫ってきている。他のメンバーが足止めしようとしたがその度なのはの睨みが利かされる。
まるで「邪魔するな」とでも言ってるかのようだった。各々が固唾を呑んで見守っている。もし失敗した時は何時でも突っ込んで行く為だ。
また、封印に成功したとしても相手は怪獣。またすぐに暴れだす可能性が高い。それでもジュエルシードが無くなれば幾分か戦いやすくなる。その時がチャンスだった。
「待っててね、すぐに助けるから……」
囁くように言った後、なのははトリガーを引いた。今までの巨大な魔力砲とは打って変わり、細い針の様な魔力砲が放たれた。その一撃は正確にゴモラの体内にあるジュエルシードを撃ち抜いた。
打ち抜かれたゴモラの背中から結晶状態に戻ったジュエルシードが姿を現す。
「フェイトちゃん、確保お願い」
「任せて!」
収束型を撃った溜か思うように動けない状態のなのはに変わりフェイトがジュエルシードを確保する。高速でゴモラの背後から摘出されたジュエルシードに近づき、バルディッシュでこれを封印する。これにて無事に事は収まった。残るはゴモラの処理だけである。現在ゴモラはジュエルシードの支
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