第三百九十八話 細長い国その十一
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「そうするんや」
「これも戦わずして勝つですね」
「大軍を見せることも」
「その一つですね」
「そや、ほんま戦をしてもな」
そうしてもというのだ。
「ええことはないさかいな」
「それで、ですね」
「大軍も見せる」
「そうしますね」
「そうするで」
こう言って街に使者を送ると街はすぐに降った、セプルベダはチリ全体に自分達の勢力そして自分自身の武威を喧伝した、するとだった。
チリの街や村はこれまで以上に戦わずして降り彼はチリをあまり戦うことなく掌握した、それが整ってからだった。
彼はチリ全体の内政にかかったがここでだった。
「隣国とのことやな」
「ボリビアにペルーに」
「特にアルゼンチンですね」
相談役になっている会長とボクサーが言ってきた。
「この三国ですね」
「三国とどう付き合うかですね」
「そや、わしとしてはな」
考える顔で言うのだった。
「これまで特にや」
「考えてこなかったですか」
「隣国とのことは」
「チリの統一と内政を考えて」
そうであってというのだ。
「それでな」
「外交のことは」
「お考えでなかったですか」
「やっぱりわしは一つのことに夢中になると」
そうなると、というのだ。
「他のことがな」
「考えられなくなりますか」
「セプルベダ様は」
「そや、しかしな」
自宅の庭で共に肉を焼いて食べつつ話した、肉はラマの肉である。
「これからはちゃう」
「外交のこともですね」
「お考えになられますね」
「そうするわ」
実際にというのだ。
「それでどうするか、特にな」
「どの国でしょうか」
市長もいて彼に問うた。
「注意すべきは」
「やっぱりアルゼンチンや」
この国だというのだ。
「ほんまな」
「あの国ですか」
「最大の隣国でな」
チリから見てとだ、セプルベダは肉をさらに食べつつ話した。
「接している面積も広いしな」
「だからですね」
「しかもな」
「大国ですね」
「星の人はインペルさんでな」
「天の星ですね」
「出来ればや」
セプルベダは腕を組んで考える顔になり話した。
「戦いたくない」
「戦っても負ける」
「だからですか」
「まずな」
会長とボクサーに答えた。
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