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星河の覇皇
第八十八部第五章 隙を窺い合いその十六

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「しかしな」
「アレクサンドロスはですね」
「一匹の蚊によってだ」
 偉大なる英雄がというのだ。
「それでだ」
「倒れていますね」
「そうなっている、若し彼がマラリアに倒れていなければ」
「歴史はどうなっていたかわかりませんね」
「そうだった、疫病も災害としたならばだ」
 それならというのだ。
「恐ろしいものがある」
「だからですね」
「災害もな」
 突如として起こるそれもというのだ。
「起こればな」
「そこに隙が生じますね」
「我々の方に起こればな」
 ティムール軍の方にというのだ。
「その時はな」
「即座にですね」
「その隙を覆いますね」
「そうする、オムダーマン軍に衝かれる前に」
 まさにその前にというのだ。
「覆いだ」
「戻す」
「そうしますね」
「そして敵に起これば」
 オムダーマン軍にというのだ。
「その時はな」
「逆にですね」
「こちらが衝きますね」
「そしてそのうえで、ですね」
「勝ちますね」
「この膠着も終わる」
 その時は必ず来るというのだ。
「それが災害ならな」
「その時はですね」
「どちらに起こるか」
「こちらで起これば覆い」
「敵に起これば衝きますね」
「災害は起こる、そしてそれを利用した者こそがだ」
 まさにという口調での言葉だった。
「真の名将だ」
「その突然の事態をですね」
「惑わず逆に用いる」
「そうしてこそですね」
「真の名将ですね」
「風が起こればその風を利用する」
 その様にするというのだ。
「これは赤壁だったな」
「中国の戦いですね」
「三国時代でしたね」
「実はあれは風ではなく疫病だった」
 曹操率いる大軍はそれで去ったという、三国志演義では風が起こりそこから火攻めを仕掛けて勝っているが実はそうであったという。
「それで戦えなくなりな」
「退き戦いは終わった」
「そうでしたね」
「だが物語ではだ」
 即ち演義ではというのだ。
「風だ」
「それが起こり」
「そうしてでしたね」
「それを使ってな」 
「勝っていますね」
「そうでしたね」
「そこは違う、だが風にしろ疫病にしろな」
 どちらも災害とすればというのだ。
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