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インフィニット・ストラトス〜黒き守護者〜
一夏は弱い
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た。

『シヴァ・風宮と答えても不満かしら?』
「もちろんよ」
『………まぁ、別に話してあげてもいいけど、このメンツじゃ無理ね。何より信用できないわ。理由はどうあれ、予めなんの説明もなしに人を売るような女にはね』

 どうやら勝手に俺を賞品にしたことで相当ご立腹のようだ。

「じゃあ、後で聞かせてもらうわ。ところで祐人くん」
「何だ?」
「あなたは勝負しないの?」
「いや。俺はいいわ。結果は目に見えてるから」

 そう断ると楯無と一夏はそのまま外に出る。

「一つ聞いていいかしら」

 すると、俺の隣に虚先輩が座った。

「なんですか?」
「さっきの言葉。「結果は目に見えてる」って言ってたけど、自分が勝てると思っているかしら?」
「ええ。楯無はそれなりに楽しめそうだけど―――それでも俺には勝てないと思います。それに勝ったら即会長なんて嫌なので遠慮させてもらいました。それに―――もっと紅茶を楽しみたいってのもありましたので」

 そう言うと、「そう」と答えて俺に体を預けた。

「………無防備過ぎません?」
「……大丈夫でしょ、あなたなら」
「俺の何を信用しているか知りませんが、俺はあなたが思っているほど紳士ではありませんよ」

 すると、シヴァが急に動き出して虚先輩の膝に乗って抱きついた。

「……どうしたんだ、シヴァ」
『……ううん。ちょっと気になってね』
「ふ〜ん」

 そして腕を体に回している。

『………おかしい』
「……何が?」
『ねぇ祐人、ディアンルグ貸してくれないかしら』
「? いいけど」

 そして俺はディアンルグをシヴァに渡す。シヴァなら問題はないんだけど、

「って、何をやってるんだ!?」

 いきなり虚先輩の手に持たせる―――が、何も反応がなかった。

『本音』
「え? ちょっと!?」

 今度は本音にパスすると、本音が触っても何も起こらなかった。

「『おかしい………』」

 俺とシヴァが同時にそう言った。

「え? 何がおかしいのかしら?」
「ディアンルグにはある特殊な機能があるんです。触ると電撃が走るという防御装置が」
『それが作動しなかったってことは―――故障ね』
「マジかよ……」

 今までこれに頼っていたからちょっとは目を離していても大丈夫だったけど、少し心配になってきた。

「後でちゃんと直しておかないと……」
『そうね……』

 そう二人で言っていた。
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