暁 〜小説投稿サイト〜
仮面ライダーZX 〜十人の光の戦士達〜
街を覆う毒霧
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うた。
「いえ、城さんってスーツも似合うんだなと思って」
 ルミは彼を見上げながら答えた。
「おいおい、俺だってスーツは着るよ。いつもあのジーンズとシャツじゃないさ」
 彼は笑って彼女に言葉を返した。
「こういった場所で調べるのはあの服装じゃ目立ってしまうからね。こうしたスーツが一番いいんだ」
「ふうん、けれどその手袋はやっぱり変ですよ」
 彼女は黒い手袋を見て言った。
「・・・・・・悪いがこれは外せないんだ。いざという時以外ね」
 彼は顔を真剣なものにして言った。
「あっ、そうでしたね。すいません・・・・・・」
 ルミも彼が言った意味をすぐに理解した。そして謝罪した。
「いや、謝る必要はないよ。これは俺が望んで身に着けたものだし」
 彼は自ら志願して改造人間となったのである。友の復讐の為に。そして自ら望んで超電子人間ともなっている。
 それが他の多くのライダーと違うところだ。風見も家族の仇を討つ為にライダーに志願したし沖も自ら宇宙開発の為に進んで改造人間となった。確かに志願したということでは彼等と城は同じである。
 しかし風見は結局それの頼みをダブルライダーに一度は拒絶されている。改造人間としての哀しみを誰よりも知る彼等はその苦しみを背負うのは自分達だけでいいと思ったからだ。彼がX3となったのはダブルライダーを守り瀕死の重傷を負った時にその命を救う為にダブルライダーが改造手術を行なった時であった。
 沖は戦う為に改造手術を受けたのではない。あくまで人類の夢の為だ。図らずも人の世を脅かさんとするドグマ、ジンドグマと戦うことになったが。
 彼、城茂は最初からブラックサタンを倒す為に改造人間となった。ライダーから改造を施されたのではない。悪の組織の力によって改造人間となったのである。そしてその力をもって悪と戦っているのだ。超電子の力を授けてくれた正木博士ももとはブラックサタンにいた人物である。
「ストロンガー、私を忘れないでくれ」
 ドクロ少佐の火炎攻撃を受け博士は息絶えた。彼はその直前に城にそう言い残している。彼はその言葉を忘れたことはない。
 その超電子の力も今彼の銀の両腕に宿っている。博士の授けてくれた力が。
(博士の為にも俺は戦わなくちゃいけない。そしてバダンの奴等を倒すんだ)
 彼は心の中で言った。手袋を強く握った。
「さ、まずはここへ行こう」
 彼はルミに地図を見せて言った。
「はい」
 ルミはそれに答えた。その時であった。
「捜す必要はありませんよ」
 その時後ろから何者かの声がした。
「誰だっ!?」
 二人は後ろを振り向いた。そこには黒人の男がいた。
「貴様、バダンの手の者か」
 城は彼を睨み付けて言った。
「はい。改造人間の一人ドクガロイドと申します。以後お見知りおきを」
 彼
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