街を覆う毒霧
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不意に男達の身体から瘴気が出て来た。そしてそれは彼等の身体を溶かしてしまった。
「何と・・・・・・」
彼等の身体は全て消えてしまった。服や帽子すら残らなかった。
「証拠隠滅というわけか」
「それにしても何という恐ろしい瘴気・・・・・・」
ルミは溶けて緑色の水溜りになった男達を見ながら呟いた。その顔は青くなっている。
「いや、これは瘴気じゃないな」
城はさらに溶け消えていくその水溜りを見ながら言った。
「これは毒だな。それもかなりの強さを持つ」
「毒、ですか?」
ルミは怖る怖る尋ねた。
「ああ。おそらくは。それも即効性の」
彼は完全に消えてなくなった水溜りの跡を見下ろしながら言った。
「バダンめ、どうやら毒を使う改造人間を送り込んできたな」
城は忌々しげに呟いた。
「その改造人間で一体何をするつもりだ・・・・・・」
彼はそう言っていぶかしむ。その後ろで彼を見る影があった。
「フフフフフ」
その影は神社の社の上にいた。そして城とルミを微笑みながら見ている。
黒い肌に長身の黒人の男である。スラリとしたモデルのような身体を漆黒のスーツで包んでいる。その髪は黒人のそれとは思えぬストレートの長い髪であり映画俳優のように整った顔立ちをしている。何処かラグクラフト等の怪奇小説に出て来る黒い男に似ている。
男は城達の姿を見届けるとその場から消えた。そして後には何も残らなかった。
大阪梅田の地下のある喫茶店。先程の黒服の男が座っていた。
コーヒーを飲んでいる。ブラックのコーヒーである。
それを口に入れる。その時側に誰かが来た。
「合席しても宜しいですか?」
ふと顔を上げる。見るとあの白人の男である。
「どうぞ」
黒人の男は微笑んでそれを承諾した。白人の男はそれに従い席に着いた。
「メニューは何にするの?」
黒人の男は彼に尋ねた。
「貴方と同じものを」
彼は微笑んで答えた。黒人の男はそれに応えメニューを頼んだ。暫くしてコーヒーが運ばれてきた。
彼はそれを手に取り一口口に含んだ。そして言った。
「美味しいですね」
「でしょうね。ここのコーヒーは有名ですから」
黒人の男はそれに対し微笑んで応えた。
「ところでそちらの進み具合はどうですか?」
白人は微笑を浮かべながら尋ねてきた。
「上々ですよ。丁度面白い人もやって来ましたし」
彼は優雅な仕草で返してきた。
「ほう、それは一体誰ですか?」
「仮面ライダーストロンガーです」
彼はにこりと微笑んでその名を言った。
「ほほお、彼が来たのですか。それはまた」
白人の男はその名を聞いて眉を一瞬ピクリ、と上げた。
「何、別に気にしてはいませんよ。最初から誰かが来ると思っていましたし。それにどのライダーが来
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