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仮面ライダーZX 〜十人の光の戦士達〜
街を覆う毒霧
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「ああ。孤児院で育って大学じゃ寮や下宿で暮らしていたしあまりこうしたところに来ることはなかったんだ。そしてライダーになったら余計縁が無くなってな。まあ信じないってわけじゃねえけれど」
 二人はそう言いながら社の前を後にする。そして亀の池を見つつ太鼓橋の方へ向かう。
「ライダーは常に頼れるのは己の力と仲間、それだけなんだ。いや、運も大きいけれどな」
 彼はこれまでの戦いを振り返りながらルミに言った。
「運、ですか?」
 ルミは最後の運に反応した。
「そう、運だ。運があるのとないのとではやっぱり全然違うな。俺は今まで運のおかげで勝ったこともある」
「そうなんですか。運も大事なんですね」
「あまり当てにしちゃいけないけれどな。これを頼りにしていたら失敗する。しかしいざという時にこれがあるなしで何もかもが違うんだ。率直に言うと生きるか、死ぬか、だな」
「大事なんですね」
「まあな。けれど何時その運が回ってくるかは誰にもわからない。気紛れなものさ」
 城はそう言って皮肉げに笑った。
「大抵は土壇場にならないと運ってやつは来ない。しかしそれが回ってくると形勢が一気に逆転するんだ」
「土壇場で逆転ですか」
「そう。だけれど悪い奴等に運が回ってきたことはないな」
「えっ、それはどうしてですか!?」
 ルミはその言葉に驚いた。
「日頃の行いってやつだろうな。やっぱりそういう意味で神様ってのは見ているのかな」
 彼はそう言うと先程参拝した社の方を振り返った。
「きっとそうですよ」
 二人はそう話をしながら太鼓橋を渡る。この橋は大きく上にアーチを描いた独特の形をしていることで有名である。その橋の頂上に来た時その時何者かが二人を取り囲んだ。黒服に黒帽子の怪しげな一団である。
「ムッ!?」
 城はルミを後ろに護り彼等と対峙した。見たところチンピラなどではなさそうだ。
「バダンかっ!?」
 だが彼等は答えようとしない。無言で城に襲い掛かって来た。
「そうか、問答無用ってわけか」
 城は男達の一人の拳を受けながら言った。その声は笑っていた。
「じゃあ俺も手加減しないぜ」
 彼は拳を繰り出した戦闘員を即座に殴り倒した。そして次に来た戦闘員を池に蹴り落とした。
「神聖な神社でこんなことをするのは気が引けるがな」
 そう言いつつ黒服の一団を次々と倒していく。そして一人残らず倒してしまった。
「ルミちゃん、怪我はないかい?」
「あ、はい」
「そうか、それはよかった」
 城はルミを気遣った。幸い彼女は無事であった。
「けれどこの人達一体何なんでしょう」
 彼女は橋の上に倒れている男達を見ながら言った。
「さあね。まあ正体は大体予想がつくけれど」
 男の一人に歩み寄りその帽子を取り外そうとする。その時だった。
「ウォッ!」
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