街を覆う毒霧
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がな」
彼はそう言うと右腕をゆっくりと上げた。すると一枚の日本地図が表われた。
「残る作戦は三つ、そしてゼクロス追撃もしなければならん。あの男の消息は掴めたか」
「それは今ヤマアラシロイドが行なっております」
「そうか、あ奴自らか。奴は怪人の敗北に最も憤っているそうだな」
「はい。顔には出されませんがかなりお怒りのようです」
「だろうな。あいつはそういう奴だ。決して顔には出さないがな」
彼はそう言うとニイィッ、と笑った。どうやら何か思うところがあるようだ。
「ゼクロスにはあと三影を向けよ。二体ならばそれだけ探索の網も大きくなる」
「ハッ」
「そして後は各地の作戦だが」
彼はそう言うと宙に浮かぶ地図を見た。
「おそらくそこにライダー達が向かっている筈だ。作戦を担当するそれぞれの怪人達に伝えよ、何としても奴等を退け作戦を成功させよ、とな」
「了解致しました」
「よし、ところで一つ聞きたいことがある」
暗闇大使はここで戦闘員に顔を向けてきた。
「世界各地に散った同志達はどうしている?」
彼の目が光った。何か考えているようである。
「世界各地の同志達、ですか?」
戦闘員は彼の目を見ながら言った。
「そうだ。特に連絡が無いところを見るとこれといって躓いてはいないようだが」
まるで何かを探るようである。戦闘員はその目に少し恐怖を覚えた。
「・・・・・・今のところ何も」
「そうか、ならば良い」
その言葉に彼は姿勢を正した。
「だが注意しておけ。まだ我等の切り札は完成してはおらん。それまでは陰に潜み表立って動いてはならんからな」
「御意」
戦闘員は敬礼をして答えた。
「それに戦力はまだ整ってはいないのだ。完全にはな」
「と、いいますと?」
戦闘員はその言葉に突っ込んだ。
「それはいずれわかることだ。いずれな」
暗闇大使はそれに対して口の端を三日月の様に歪めて笑って答えた。
「だが一つだけ教えてやろう。これは『死』に関係があるのだ」
「『死』にですか?」
戦闘員は暗闇大使のその言葉に首を傾げた。
「そうだ。それがわかる時を楽しみにしているがいい」
「はあ・・・・・・」
戦闘員はいぶかりながらも答えた。暗闇大使はそれを横目に見ながら一人ほくそ笑んでいた。
城とルミは朝食を食べた後早速捜査を開始した。まずは住吉大社でこれからの戦いの勝利を祈願した。
「あまり神様とかに頼るのは好きじゃないんだがなあ」
城は少し苦い顔をしながらも賽銭を入れ祈った。
「まあいいじゃないですか。戦いの前にお祈りをするのは武士のたしなみですよ」
ルミはその横で微笑んで言った。
「そりゃそうだけれどな。俺は元々神様とか仏様とかには縁が無いからな」
「あらっ、そうだったんですか?」
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