街を覆う毒霧
[11/20]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
はそう言って微笑んだ。後ろから戦闘員達が現われる。
「ドクガロイドか。だとすると貴様等はこの大阪に毒か何かを流すつもりだな」
「流石は城茂。もう見抜かれたとは」
ドクガロイドはそう言うとニコリ、と微笑んだ。
「当たり前だ。住吉大社での刺客の溶け方に貴様のその名、それでわからない馬鹿が何処にいるんだ」
「フフフ、それはそうですね」
彼がそう言うとその後ろの戦闘員達が動いた。そして城とルミの周りを取り囲んだ。
「だとすれば話が早い」
彼がそう言うと戦闘員達が懐から棒を取り出した。三段になっている特殊警棒に似たものだ。
「俺をここで始末する、というわけだな」
「その通り」
彼は言った。戦闘員達がそれに応え二人へ一斉に襲い掛かった。
戦いがはじまった。戦闘員達はその棒を手に襲い掛かる。城はそれに対し素手で立ち向かう。
城は流石に強い。戦闘員達を軽くあしらっていく。しかし数が違う。
尚且つルミを庇っている状況である。さしもの城も次第に退いていく。
「まずいな、これは」
彼もその状況に気付いていた。ドクガロイドはそれを見て笑っている。
「ならばこれしかないな」
彼はルミの方を見た。そして彼女の身体を掴んだ。
「ルミちゃん、ちょっと御免よ!」
彼はそう言うとルミを上へ放り投げた。
「えっ!?」
これにはルミも驚いた。一瞬何が起こったのかわからなかった。
「今だ、喰らえっ!」
彼はそう言うと両手の手袋を取り外した。中から銀の腕が現われた。
「エレクトロファイアーーーーーッ!」
その銀の腕の右手を下のアスファルトに叩き付けた。激しい電流が地を伝う。
「ギッ!」
それはたちまち戦闘員達を襲った。電流に貫かれた彼等はひとたまりもなく地に倒れた。
電流はドクガロイドも襲った。激しい電流と熱が彼の全身を撃つ。だが彼は微動だにしない。
「ほほお、これがエレクトロファイアーですか」
彼は余裕をもってそれを受けていた。
「中々心地良い威力です。噂に違わぬ力」
衝撃が伝い終わった。彼はまだ悠然と立ち微笑んでいる。
「しかし戦闘員達は倒せても僕は倒せないようですね。所詮はその程度の技ですか」
「何!?」
城はドクガロイドのその言葉と悠然とした態度に顔を顰めた。そこにルミが落ちて来た。
「おっと」
彼は胸の前で彼女を受け止めた。両腕に抱えるようにして受けた。
「えらく余裕だな。エレクトロファイアーを受けてその台詞とは」
「勿論。バダンの改造人間を甘く考えてもらっては困りますよ」
彼は言った。そしてその黒い目が妖しく光った。
「来るか」
彼はルミを降ろし身構えた。彼女はその後ろに匿った。
「いえ、今日のところは大人しく帰るとしましょう」
彼は目の光を消して言った。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ