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星河の覇皇
第八十八部第五章 隙を窺い合いその十二

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「それでだ」
「その突起を潰してですね」
「膠着状態に陥っていた戦線をだ」
「打開しようとしていましたね」
「そして再び攻勢に転じようと考えていた」
 スターリングラード以前の様にというのだ、この時の戦線の膠着はスターリングラードの敗北以後のことだった。
「しかしな」
「その突起への攻撃はですね」
「時期も遅くな」
「攻めるべきでなかったですね」
「ソ連側も予想していてだ」
 ドイツ軍つまりヒトラーから見て敵である彼等もだ。
「防御陣地を構築してな」
「迎え撃とうとしていましたね」
「そこにだ」
「ドイツ軍は攻めていき」
「敗れた、もっと言えばまだ戦えたが」
「戦力を失った時点で、ですね」
「援軍を送る予定だったが」
 それがというのだ。
「攻撃自体を中止することになった」
「それで敗北となりましたね」
「連合軍がイタリアに攻め込んでな」 
 この戦局の変化によってであったのだ。
「その援軍どころか多くの戦力をな」
「イタリアに向けざるを得なくなり」
「クルスクではな」
「ドイツ軍は敗れましたね」
「そしてこの敗北がだ」
 クルスクのそれがというのだ。
「無駄に損害を出す結果でしかなくなってな」
「東部戦線の転換点となりましたね」
「そこからドイツは劣勢になった」
 東部戦線においてというのだ。
「そして最後はな」
「戦争自体に敗れましたね」
「そうなった、やはりな」
「迂闊に攻めてはなりませんね」
「決してな」
「そして隙もですね」
 フラームは今の話をした。
「やはりな」
「左様ですね」
「アッディーン大統領は隙を見せるとだ」
「例えそれが宙形であっても」
「そこに隙があるとな」
 それならというのだ。
「そこからだ」
「攻めてきますね」
「アステロイド帯を踏破してその向こうにある星を拠点として戦う」
 そうしたというのだ。
「そうしたこともあったな」
「かつては」
「あの時は誰もアステロイド帯を踏破するとは思わなかった」
「奇襲でしたね」
「しかしそのアステロイド帯はだ」
 誰もが踏破不可能と思っていたがというのだ。
「隙があった」
「踏破出来ましたね」
「そしてその向こうにある星はだ」
「踏破出来ないアステロイド帯に守られていて」
「星自体に備えはしていなかった」
 全くというのだ。
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