九十八 光あるほうへ
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の中の根は瞳を閉ざす。
真っ黒に塗りつぶされた瞼の裏で、ずっと追いかけ続けてきた光を浴びる木ノ葉を感じながら。
やがて何もかも巻き込み、削り、引き摺り込み、橋の中心が大きく抉られる。
爆風に煽られ、サイとシンの乗る墨の鳥が空高く舞い上がった。
同じく綱手によって引っ張り上げられ、サイの墨の鳥に避難させられたサスケも凄まじい風に眼を細める。
やがて爆風がおさまった頃には、橋の中心は円形に抉られていた。
【裏四象封印術】の凄まじい範囲から免れたサイとシン、五代目火影を始めとしたサクラ・トルネ・フー、そしてサスケの視線の先では。
さいごの最後の最期で、シンを巻き込むまいとした老人の遺体がクレーターの中心で横たわっていた。
片腕を失い、数多の写輪眼を失い、ズタボロになったその身体は眩しいほどに日の光を浴びている。
天の頂きにある太陽。
今は木ノ葉病院の奥の病室に眠る者の代わりに、日輪はダンゾウの身に陽光を降り注ぐ。
深い暗闇しか知らなかった【根】を光あるところへ導くかのように。
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