森に煌く刃
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る。
そしてその場から消えた。まるで煙のようにその場から消え去った。
大台ケ原のある洞穴、その奥に何者かが蠢いていた。
それは戦闘員達であった。洞穴を改造して基地を造っていた。
そこにあの蟷螂が現われた。その複眼がピカッと輝く。
「戻って来たか」
戦闘員の一人がそれを手に取った。そして中へ入っていった。
基地の壁は洞穴そのままであった。鍾乳洞が垂れ下がり苔がある。
足下は少し湿っている。戦闘員はその中を蟷螂を手にしながら進んでいた。
右へ曲がる。そこを進むと指令室であった。
「蟷螂を持って来たのね」
そこには長身の女がいた。黒く長い髪と瞳を持つ長身の女である。
肌は白く透けているようである。整ってはいるが何処か陰惨な顔立ちである。アジア系のようである。青いアオザイを着ている。ズボンも青だ。
「ハッ、こちらに」
戦闘員は片膝を着き両手で蟷螂を差し出した。蟷螂は女の手の中に入った。
「どれ、見せて御覧。御前が見てきたものを」
女はそう言って微笑んだ。すると蟷螂の複眼が再び光った。
それと呼応するように女の目も光った。
彼女はその目に何かを見ていた。そして両者の目の光が消えると蟷螂は女の肩に止まった。
「ふふふ、よくわかったわ」
女はニヤリ、と笑った。
「アマゾンが現われたわよ、この大台ケ原に」
女の言葉を聞いて周りにいた戦闘員達がどよめいた。
「落ち着いて。アマゾンは一人、恐れる必要は無いわ」
女は戦闘員達を宥める様に言った。
「かってベトコンで女戦士として恐れられフランス、アメリカ、中国の軍人達から『密林の悪夢』と言われたハ・ティム・キム。・・・・・・いえ、カマキロイド。その力見せてあげるわ」
女、いやカマキロイドはそう言うとニヤリ、と笑った。それはまるで死神のような笑みであった。
夜になった。アマゾンとモグラ獣人は食事を採っていた。その辺りにある木の実や蛇、虫等である。
木の実は生であるが蛇や虫には火を通してある。だが二人共別に生でも構わないようだ。あまり火を通さなくともそのまま口に入れ咀嚼している。
「美味いな、アマゾン」
「ああ」
二人は食事を採りながら楽しく談笑していた。
「しかしおいらの特訓もいいけれどこんなところで油を売っていて大丈夫なのかい?立花の親父さんに連絡も入れていない
みたいだけど」
「アマゾン、機械苦手」
アマゾンはそれに対してボソッと言った。
「けれど携帯ですぐに入れられるじゃないか。そもそもここにバダンがいるとは思えないけどなあ」
「それは大丈夫」
アマゾンは首を縦に振って言った。
「大丈夫って・・・・・・。連絡が?バダンが?」
「両方」
アマゾンは自信に満ちた声で言った。
「連絡はいいよ。親
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